医療業における税制上の特例

医療業というだけでいくつか税制上有利な特典があります。

(1) 社会保険診療報酬の所得計算の特例

 

医業(歯科医業)を営む個人、医療法人の各年度における社会保険診療報酬が5,000万円以下である場合、社会保険診療に係る所得の計算において、収入から実際にかかった経費を控除して計算するのではなく、収入金額に応じて一定の割合により計算した経費を控除して計算することができます。つまり実額経費ではなく概算経費で良いということです。そのため、実額経費よりも概算経費の方が大きければ、それでよいのです。自分で選べるのだから有利です。後出しじゃんけんが可能なのです。

 

但し、全体の収入金額、社会保険診療報酬と自費診療収入、その他の収入の合計額が7,000万円を超えた場合には、概算経費を採用することはできません。

 

(2) 事業税等の有利な規定

 

個人事業及び医療法人のどちらでも、社会保険診療収入に対応する所得についての事業税や法人事業税が非課税になっています。

 

また、医療法人に係る法人事業税については以下のような規定が設けられています。

  • 年400万円を超える部分の所得に対する法人税率が軽減されています。
  • 外形標準課税の適用がありません。
  • 予定申告が不要です。

 

なお、法人事業税及び地方法人特別税の税率表は以下の通りです。

 

所得金額

医療法人

普通法人

 

 

法人事業税

地方法人特別税

合計

法人事業税

地方法人特別税

合計

年400万円以下の部分

3.40%

(2.50%)

1.46%

(1.29%)

4.86%

(4.79%)

3.40%

(3.50%)

1.46%

(1.29%)

4.86%

(4.79%)

年400万円超年800万円以下の部分

4.60%

(4.90%)

1.98%

(1.81%)

6.58%

(6.71%)

5.10%

(5.30%)

2.20%

(1.96%)

7.30%

(7.26%)

年800万円超の部分

4.60%

(4.90%)

1.98%

(1.81%)

6.58%

(6.71%)

6.70%

(7.00%)

2.89%

(2.59%)

9.59%

(9.59%)

               

※()内は令和元年10月以後に開始する事業年度の税率

 

(3) 特定医療法人の軽減税率

 

財産や社団である医療法人で、持分の定めがない医療法人のうち、その事業が医療の普及及び向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与し、公的に運営されていることにつき一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の承認を受けた特定医療法人は法人税が軽減されます。

 

所得金額

特定医療法人の法人税率

医療法人の法人税率

年800万円以下の部分

15.0%

15.0%

年800万円超の部分

19.0%

23.2%