医業を営む個人や医療法人が、その役員又は従業員のための福利厚生の目的で保養所として別荘を取得した場合、これにかかる費用の一部を福利厚生費として算入できる余地があります。
なお、個人事業主しか使っていないようであれば、家事費であって事業経費にはなりません。また、特定の役員や従業員のためだけの会員権であれば、その特定の者の給与課税がなされます。福利厚生費にするためには役員や従業員に広く利用されていることが不可欠です。
また以下のような証拠書類も残しましょう。
- 別荘の利用についてのルールを文章化
- 別荘の利用申請書、予約表等利用の実績を残す
別荘については以下のような費用が掛かり、それぞれ以下の通りとなります。
内訳 |
個人事業 |
医療法人 |
土地 |
経費になりません |
資産計上 |
建物 |
資産計上の上、事業割合に乗じて減価償却費として経費算入 |
資産計上の上、減価償却費として経費参入 |
印紙税 |
事業割合に乗じて租税公課 |
租税公課 |
登録免許税 |
事業割合に乗じて租税公課 |
租税公課 |
司法書士報酬 |
土地建物の取得価額(資産計上) |
土地建物の取得価額(資産計上) |
不動産取得税 |
事業割合に乗じて租税公課 |
租税公課 |
固定資産税 |
事業割合に乗じて租税公課 |
租税公課 |
管理費 |
事業割合を乗じて福利厚生費 |
福利厚生費 |
表にも記載しましたが、個人については、その個人事業主及び専従者である親族が利用する分は経費になりません。そのため、利用のための費用以外の減価償却費、管理費、固定資産税等の費用については、利用頻度、従業員数等を元に、事業割合に乗じて経費とします。