医療法人が、役員のために住宅を借りて家賃を支払い、その住宅に住む役員から家賃を受け取っている場合、その支払家賃と受取家賃の差額は福利厚生費となります。
但し、役員から受け取る家賃は通常の賃貸料以上でなければなりません。例えば支払家賃が月額40万円であれば、役員への給与支給額から天引きする方法で受取家賃として月額20万円を受け取ったとします。その時に受取家賃が通常の賃貸料以上であれば、月額20万円が福利厚生費となります。
通常の賃貸料とは以下のような区分で計算します。
一般住宅 |
以下のものを除く住宅 |
小規模住宅 |
貸与した家屋の床面積(2以上の世帯を収容する構造の家屋については、1世帯として使用する部分の床面積)が132 m2(木造家屋以外の家屋については99 m2)以下であるものを言います。 |
豪華役員住宅 |
家屋の床面積が240 m2を超えるもので、その住宅等の取得価額、支払賃貸料の額、内外装その他の設備の状況等を総合勘案して、その住宅等が社会通念上一般に貸与されているようなものではないもの |
【一般住宅の場合の「通常の賃貸料」の計算】
次のいずれか多い金額
(a) (その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×12%※+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%)×1/12
※木造家屋以外の家屋については10%
(b) 第三者へ支払う家賃の額×50%
【小規模な住宅の場合の「通常の賃貸料」の計算】
その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%+12円×該当家屋の総床面積(m2)/3.3(m2)+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%
【豪華役員社宅の場合の「通常の賃貸料」の計算】
豪華役員社宅は、上記算式は用いられず、その資産の利用につき通常支払うべき賃貸料に相当する額になります。つまり医療法人が第三者への支払家賃と同額を役員個人が負担すべきことになります。