役員退職金の活用

自分の懐に入ってこないと、手取りが減る感覚にもなるかもしれませんが、ある意味では、安い税率で、法人に所得を残し、将来の資金を貯蓄しているのだと考えるとどうでしょうか。役員報酬を高く設定して、個人として手元に残る資金から将来の老後資金を貯めるよりも、役員報酬を低く設定して医療法人に貯めておく方が、所得税等と法人税等との税率差を考えると非常に合理的です。

 

当然、医療法人に貯蓄しておいた資金を先生個人が使用したい場面で勝手に使っていいわけではありません。医療法人を後継者に引き継ぐ等のタイミングで、医療法人から個人に役員退職金を支給することで、個人で資金を使うことができるになります。

 

そのためにも、医療法人において、役員退職金規定を作っておきましょう

 

役員退職金にも所得税が掛かりますが、退職所得は、他の所得とは分離して所得税が計算されます。受け取った役員退職金の金額から退職所得控除を控除した残額の2分の1に対して所得税がかかります。役員としての勤続年数が5年以下の場合にはそのような特典がないことに注意が必要です。

 

役員所得の金額は以下のようになります。

 

退職所得=(退職金額-退職所得控除)×1/2

 

ここで退職控除は、勤続年数20年までは、40万円×勤続年数、ですが、勤続年数21年から800万円+70万円×(勤続年数ー20年)になります。

 

また役員退職金についてのもう一つの技がありまして、大きく役員退職金を支払えば、赤字になります。そうすれば、その年に医療法人に法人税等がかかりませんし、累積損失となって、翌年10年間に渡って繰越控除ができるのです。