医療法人から役員退職金を支給

医療法人が役員退職金を支給する場合、その支給額が過大であれば経費にできない場合もあります。

その支給額が適正かどうかは、

・その役員のその医療法人の業務に従事した期間

・その退職の事情

・その医療法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況等

によって決めますが、法人税法上でも、役員退職金の適正額について具体的な計算方法は明記されておりません。

 

過去の裁判事例などから一般的に功績倍率法という計算方法によって、役員退職金の適正額を算出します。

 

最終月額報酬×勤続年数×功績倍率

 

功績倍率は、その医療法人と類似する法人を数社選定して、その平均的な功績倍率を算出する方法、類似する医療法人のうちの最高値の功績倍率を採用する方法がありますが、理事長、理事、監事等の役職や功績に応じて、一般的に概ね1~3倍が妥当な倍数だとされています。

 

過去の裁判事例によりますと、役員の業務上の死亡により支給する死亡退職金であれば、その役員に対する死亡退職金に加えて、その役員に対して支給した弔慰金を経費に算入することができると考えられます。この場合の弔慰金は、相続税法基本通達による弔慰金(業務上の死亡の場合は賞与以外の普通給与の3年分又は業務上の死亡でない場合は賞与以外の普通給与の6か月分)か、労働基準法79条による遺族補償(平均賃金の千日分)を基準として適正額を計算することが多くなっています。

 

いずれにしましても、役員退職金の支給に備えて、予め役員退職金規程や弔慰金規程等を作成し、役員退職金の支給時に、社員総会議事録にその計算根拠を明記しておく必要があるでしょう。