役員報酬と法人利益のバランス

所得税・復興特別所得税・住民税(以下「所得税等」と略す)の税率は、最高で55.945%です。

一方、法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・地方法人特別税(以下「法人税等」と略す)の税率は、最高で33.79%です(但し、東京都の医療法人で、資本金等1億円以下、平成30年4月から令和元年9月までに開始する事業年度の場合)。

 

ざっくり計算すると、課税所得330万円までについては、所得税等の方が税率が低いのですが、課税所得が330万円超となると、法人税の方が税率が低くなります。そして、課税所得が4,000万円を超えた部分については、所得税等と法人税等の税率差が最大となり、その差が22.155%と法人税等の方が大幅に低くなります。

 

個人の場合には、必要経費を除いた分に所得税がかかりますが、法人の場合には、法人税と先生個人の所得税がかかります。従って、役員報酬をどのように設定するかによって、税金を安くすることができます。ここで注意が必要なのは、役員報酬は、年の途中で勝手に変えられませんから、年間の収益を完全に予測できなければ、結果としても、税金が安くなったかどうかは、決算を迎えなければ実際にはわからないということです。

 

ここでは、軽く計算をして比較してみましょう。年間所得が4,800万円だったとしましょう。これが医療法人を設立した場合にはどうだったかで考えてみます。年間で医療法人の利益を400万円にするとして、役員報酬を4,400万円にしたとしましょう。

 

先生個人は所得4,800万円のうち、400万円の所得が減少したので、所得税は400万円×55.945%=2,237,800円が減少します。

 

医療法人に残った400万円は、法人税等が22.45%=898.000円かかります。これだけで、2,237,800円-898,000円=1,339,800円の節税ができることになります。