タックスヘイブンがなぜ税金の軽減に使われるのか

脱税だと違法だし、節税だと合法になります。その他意見の相違とか、我々一般庶民からすれば、税金を軽減させる行為は全て脱税がらみなんじゃないかと、貧乏人のひがみ根性でそのようにうがった見方をしてしまいます。ここでは税金の軽減といういい方でもしておきましょうか。

前回の武富士やセコムの話ですが、我々一般庶民からすれば。腑に落ちません。タックスヘイブンの会社が所有していたといっても、事実上は創業者が持っていた株です。これは、実際は「創業者が親族に株を贈与した」行為であり、本来は贈与税を支払うべきものです。それに、税務の世界では「実質課税の原則」があるはずであり、形式や名義はともかく、現実的にはどうなんだと課税判断をするのが建前です。社会通念上という言い方をよくします。

タックスヘイブンを用いればすべて脱税が節税にできるわけではありませんが、タックスヘイブンを間に挟むと、タックスヘイブンの地域を管轄する政府との関係が影響してきます。つまり、日本の課税当局の事情だけで課税できるかどうかを判断できなくなってしまうのです。日本の課税当局が、実質を考えれば単にダミー会社と考えても、それでもその地域ではれっきとした法人格を持った会社なのです。法律にのっとって作っているのに、お前の法律はザルじぇねえか、とバカにしているようなものです。

そしてタックスヘイブンそのものは小さな島の小国にすぎませんが、バックには大国が控えています。例えばバージン諸島はイギリス領です。バージン諸島にケチをつけるということは、イギリスにケチをつけるということになります。それは日本政府としてもケチをつけづらいでしょう。そしてそのようなタックスヘイブンと大国の間には、長い歴史と関係があるのです。そう簡単には、タックスヘイブンの制度がなくなるわけではありません。イギリスだけでなくアメリカもタックスヘイブン地域を多数抱えています。イギリスとアメリカのタックスヘイブン地域をいくつかピックアップしてみましょう。

イギリス
(a) 英領バミューダ諸島:法人税、所得税、キャピタルゲイン税、相続税が無税
(b) 英領バージン諸島:法人税やキャピタルゲイン税が非課税
(c) 英領ケイマン諸島:所得税、キャピタルゲイン税、相続税が非課税

アメリカ
(a) デラウェア州:州内で営業していない企業の法人税が非課税
(b) ネバダ州:州法人税が無税
(c) パナマ:アメリカ企業やアメリカの富裕層が活用、国外所得が非課税。

そもそもアメリカには、中の州にタックスヘイブンを抱えています。始末におません。それゆえ、なかなか解決しないということです。