社長の子が社長になりやすい理由とは?

必ずしも親と同じ仕事をするとは限りませんが、親が会社をやっている場合には、その会社を継ぐことがよく行われております。もちろん、子供が会社を継がないケースもあり、社会的に問題となっています。

職業選択は憲法に定められている通り、自由です。何しようと勝手です。別に親の会社を継がなくたっていいんです。継ぐことのメリットと言えば、親が築いてきた顧客とのネットワークをそのまま手に入れることができるという点です。ただ親の世代には良かった事業が、子供の時代になってもいいかどうかというと何とも言えません。ケースバイケースによります。どちらかというと、古くてダメなことも少なくはないと思われます。利益が出ていればまあよいと思いますが。

それを継ぐ子供にとっては、メリットよりもデメリットを上げた方が多いかもしれません。会社の負債を引き継ぎ、今度返すのは自分かよ。古びた機械を押し付けられたようなものじゃん、これから斜陽産業でしょ等々。そのため、子供が親の後を継がない例も増えてきています。

現実的には、利益の出るビジネスモデルであるならば、次の新事業を見つけ、育て、それまでは既存のビジネスで食いつなぐ、そういったことに利用するというのはアリです。でもそういった発想を若いうちから持つというのは中々難しいのもまた現実です。

社会的なメリット、デメリットを上げれば、会社で従業員を雇用している場合に、誰も後を継がなければ、閉鎖せざるを得なくなります。そうなれば、そこで勤めていた人たちが短期的には路頭に迷うことになります。銀行も借入金の返済が滞ります。会社の社長が生命保険でも入ってくれて、しかも会社が受取人になっていれば、万々歳でしょう。まあ、銀行員の考えることですから、人の命もそんなもんでしょう。

もっとも子供が継いだからと言って、社会的にメリットかというとそうでもありません。その子供が経営者としてボンクラだったら、いずれ会社をつぶしますし、従業員も結局は路頭に迷うことになります。誰が継ぐ継がないかに関わらず、とりあえず会社があって、そこで関係者が多くいるならば、その会社を残した方が、社会的な損失は少なくて済みそうです。前置きが長くなりましたが、それを税制で支えようというのが「事業承継税制」というものです。

これは中小企業の世代交代が上手くいくように、先代が死亡したときには、次世代が事業用資産をそのまま受け継がせるようにしている税金の特別措置です。こういう制度が作られた背景には、税制が邪魔になって、事業承継がスムーズに進まなかったということがあったからなのです。