タワマン節税は使える、使えない?

雑誌でよく登場するタワマン節税。相続税の対象となる土地は路線価、建物の評価額は固定資産税の評価額が基準となるため、この固定資産税の評価額は、一つのマンションでは一つの価格しかつかないことになっていました。つまり、高層階のマンションと低層階のマンションは価格が全く異なるのに、広さが同じであれば、相続税の評価は同じでした。従って、高層階の高額マンションを購入すれば、低層階と同じ税金で済んだということなのです。ここで全て過去形を使っていたのは、以前はそうだった、これからは少し異なる解釈となる、ということです。

国税庁の通達をざっくりとまとめると次の通りです。

  • 固定資産税の計算

高さが60mを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているものを「居住用超高層建築物」と定義し、その固定資産税の計算を次のようにしました(地方税法352条2項、法施行規則15条の3の2、7条の3の2)。

 

①居住用超高層建築物全体に係る固定資産税額においては、各区分所有者に按分する際に用いる各区分所有者の専有部分の床面積に、住戸の所在する階層の差違による床面積当たりの取引単価の変化の傾向を反映するための補正率(これを「階層別専有床面積補正率」という)を反映して計算します。

 

②階層別専有床面積補正率は、最近の取引価格の傾向を踏まえ、居住用超高層建築物の1階を100とし、階が1つ増えるごとに、これに10/39を加算した数値とされます。したがって、[N階の階層別専有床面積補正率=100+10/39×(N-1)]となります。

 

小難しい計算はさておき、要するに高層階の固定資産税額は高くなります。例を挙げますと、1階に係る固定資産税が100の場合、40階の固定資産税は110となります。

 

  • 固定資産税評価額

平成29年度のタワーマンションに係る固定資産税の改正は、税額計算の見直しであり、その家屋部分の固定資産税評価について特に改正はありません。但し、「通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」と財産評価基本通達6項に書かれて落ち、タワーマンションの取得・保有の状況や経緯によっては、その家屋部分につき通常の固定資産税評価によらない評価がされることがありえるとなりました。

 

そのため、相続税の不動産評価は、路線価や固定資産税の評価額で便宜上決定していましたが、原則としては時価で換算されるため、固定資産税を基準にして相続税を申告していても、税務署から時価で換算されて修正される恐れがあるのです。

 

税理士がOKといったから、OKではなく、最終的には国税当局の胸先三寸で決まってしまいます。法治国家でこんなんでいいのか、と突っ込みどころ満載なわけです。特に税務当局はタワーマンション節税を快く思っていないため、明らかに節税目的のタワーマンション購入に対しては追徴税を課す構えといってよいでしょう。