任意組合の税務について

任意組合に関する共同事業に関しては、特段原則的な規定があるわけではありません。任意組合の場合、各組合員がそれぞれ組合事業の主体と考えられ、組合自体は納税主体とはなりません。組合の当事者に任意組合の利益又は損失の額は、そのまま移転されます。組合自体の確定申告は提出義務がありません。さて、組合員が法人の場合と個人の場合の税務の取り扱いについてみておきましょう。

(a) 組合員が法人の場合
民法上は誰にどれだけ不平等に利益を分配しても問題はないのですが、税務上は問題になります。そのため、基本的には利益や損失の分配額は合理性がない限り、各組合員の出資額に応じた損益を分配しておいた方が無難です。任意組合の場合、出資といってもお金だけでなく、労務や信用も出資対象となりますから、これらを金銭的に評価する場合も、合理的に評価しましょう。
法人が組合員の場合の法人税の取り扱いについては、法人税基本通達14-1-1において、法人が組合員となっている組合の利益金額または損失金額は、組合契約又は民法第674条「損益分配の割合」の規定によると定められています。そして同通達14-1-2において以下の3方式が採用され、そのうちの一つを継続して用いることとされています。

(1) 利益・損失配分方式(純額方式)
当該組合について計算される利益の額または損失の額をその分配割合に応じて各組合員に応じて分配又は負担させる方法。利益や損益の最終尻だけしかわからないので、任意組合の損益や資産の内容は組合員の帳簿には反映されません。つまり受取配当の益金不算入の適用や税額控除などが適用されません。

(2) 収入・費用配分方式(中間方式)
任意組合の収入金額、その収入金額にかかる原価の額及び費用の額並びに損失の額をその分配の割合に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法。任意組合の収益や費用が組合員の損益計算書に反映されるので、受取配当の益金不算入の規定や税額控除は適用されます。但し貸借対照表は反映されないので、引当金の繰り入れはできません。

(3) 収入支出・資産負債配分方式(総額方式)
任意組合の収入金額、支出金額、資産、負債をその分配割合に応じて各組合員の金額として計算する方法。原則的方式となります。


法人が特定組合員(組合契約上の業務を執行する組合員等)に該当し、組合契約のおける事業について、その債務を弁済する責任限度が組合財産となっているとき、調整出資金額を超える部分の金額に相当する金額は、損金の額に算入できません(措法67の12①)。また、確定申告書等を提出する法人が民法上の任意組合の組合員になった場合、組合損失超過合計額があるとき、利益の額に達するまでの金額は損金の額に算入できます(措法67の12②)。

(b) 組合員が個人の場合
分配についてはほぼ法人と同じです。基本は出資額に応じた分配、経済的合理性があればそれ以外の分配も認められます。

利益・損失配分方式を採用するときには、組合員にとって組合の業務にかかる収入金額の明細などが明らかでないこともあり、この所得区分は、当該組合の主たる事業の内容に従って不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得のいずれか一つの所得とするとされています(所基通36、37-20)。