有限責任事業組合における個人組合員の税務

LLPは民法上の任意組合の特例として創設されたものです。個人組合員においては、組合の損失計上に上限があります。

各年においてLLPの事業から生じる所得が不動産所得、事業所得又は山林所得に該当するものである場合には、そのLLPの事業で損失が発生したとき、個人組合員の持ち分の全てが個人組合員の段階で損失として認められるのではなく、調整出資金額が上限となっています。調整出資金額は次の通りに計算します。

調整出資金額=(a)+(b)-(c)

(a) 出資価額の合計額
その年に計算期間の終了の日が到来する計算期間の終了のときまでにその個人がLLPに出資をした金銭その他の財産の価額でLLPの会計帳簿に記載された出資の価額の合計額

(b) 各種所得金額の合計額
その年の前年に計算期間の終了の日が到来する計算期間以前の各計算期間において、その個人のLLPの事業から生ずる各種所得にかかる収入金額とすべき金額または総収入金額に算入すべき金額の合計額から各種所得にかかる必要経費等の合計額を控除した金額の当該各計算期間における合計額。例えばその個人のLLP事業から生じる配当所得、不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得、譲渡所得、一時所得等

(c) LLP
その年に計算期間の終了の日が到来する計算期間の終了のときまでにその個人が交付を受けた金銭その他の資産にかかる分配額のうち、その個人が交付を受けた部分に相当する金額の合計額

わかりやすく言えば、(a)その年の計算期間終了の日の出資額と、(b)前年の計算期間までにLLPからパス・スルーされた「収入―経費等」を足して、(c)その年の計算期間までにLLPから交付された金銭等を引いたものが調整出資金額となる、というものです。

なお、その調整出資金額を超える部分は、必要経費に算入できないが(いわゆる必要経費不算入損失額)、この部分は以下の方法で振り分けられます。

個人組合員のLLP事業による事業所得等の損失額が、これらLLP事業から生じる不動産所得、事業所得又は山林所得のうちいずれか一つの所得から生じたものであれば、必要経費不算入損失額は一つの所得から生じたLLP事業による事業所得等の損失額からなるものとされます。

次に個人組合員のLLP事業による事業所得等の損失額がこれらLLP事業から生じる不動産所得、事業所得又は山林所得のうち二以上の所得から生じたものであれば、必要経費不算入額をこれら二つ以上の所得にかかるそれぞれの損失額に案分して計算した金額で、これら二つ以上のそれぞれから生じたLLP事業による事業所得等の損失額からなるものとされます。

また、個人が複数のLLP契約を締結することは禁止されていないため、個人が複数のLLP契約を締結している場合、LLP事業による事業所得等の損失額及び調整出資金額は、各LLP契約にかかるLLP事業ごとに計算します。