遺産は不動産で残すのが相続税的にメリットが高い

遺産は金融資産として残すのが最も不利となります。それは時価がわかりやすいからです。1億円はどうやっても1億円です。

上場株はあなたがいくらこれは無価値だと叫んだところで、マーケットの株価で算定されてしまいます。ですから遺産は別の形で残した方がよいことになります。一番割引される可能性の高く、最もよく使われていて問題の少ないケースが不動産です。「家」という形で遺産を残せば、相続税の対象としては大きく割引されるのです。また、できる限り田舎よりも、都会で残した方がよいのです。

小規模宅地等の特例は、330m2以内の宅地を死亡した人と同居している親族が相続した場合に適用されます。この330m2は広さだけが問題で、時価はどんなに高くてもよいのです。そうなりますと、地方で時価が安く広いところに家を構えるのではなくて、都心で時価の高く狭いところに家を構えた方が、相続税的には圧倒的に有利になります。

330m2以内の小規模宅地ということと、同居が条件となりますが、平成27年の改正から、完全分離型の2世帯住宅も対象となりました。以前は完全分離型の2世帯住宅はこの特例から対象外とされていました。玄関や住宅の一部が共同となっている住宅しか、この特例の対象とはされていませんでした。しかしこの改正により、玄関が別々でも、両家が雨に濡れなくても行き来できない完全分離型の家でも適用されるようになったのです。そのため、土地の高い地域で完全分離型の2世帯住宅を買ってもらって、そこに住むと相続税的にものすごくメリットになります。

そして、被相続人が物理的に同居していなくてもOKになりました。例えば老人ホームに入居していた場合でもです。対象とするのは以下の通りです。

(a) 要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が次の住居又は施設に入居又は入所していたこと
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム又は有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・サービス付き高齢者向け住宅

(b) 障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障碍者支援施設等に入所又は入居していたこと

小規模住宅の特例は、財産を持っている人と相続人が同居していなくては適用できませんでしたが、死亡したときにその家に住んでいなかったとしても、介護を必要とするため老人ホームに入居したような場合には適用されることとなりました。