社団法人の規制はあるにはあるけど、ザルみたいなもの?

一応、社団の運営は、官公庁も指導をすることになっています。しかしマロングラッセにあんみつをほおばるくらいに甘いものです。そのため、社団のお金の使い道は、ほぼ、設立者や運営者の好き勝手にできます。建前としては、社団の活動は構成員の協議で決められます。しかも社団の構成員は創業者の息のかかった人しかいませんから、実質的に社団の資産は作った人の思いのままになります。このようにして、本当の資産家は相続税を逃れているのです。

ただ、税務当局もそこまでアホではなく、このようなおいしい蜜をいつまでも黙っているわけにもいかないのです。そこで平成30年に大幅な法律改正がありました。いくらなんでも牽制機能のない、親族ばかりで固めるというのもなんだ、と思うのが当たり前、そこで親族うばかりで占められている社団法人は、ダメよ、となったわけです。その要件は次の通りです。

 

  • 相続開始直前の時点で、同族役員が全役員の2分の1を超えている場合
  • 相続開始前の5年間で同族役員が全役員の2分の1を超えている状態が3年以上の場合

 

要するに役員の過半数を同族役員が占めていたら、相続税がかかることになりました。ここで同族役員とは次の人を指します。

 

  • 被相続人(死亡した本人)
  • 被相続人の配偶者(夫あるいは妻)
  • 被相続人の3親等内の親族(親、子、祖父母、孫、兄弟姉妹、そう祖父母、曾孫、おじ、おば、甥、姪)
  • 被相続人と特別の関係を持つ者

 

無関係者でも入れればいいという発想ですが、無関係者にもおいしい蜜を吸わせる機会を与えよう、ぐらいな意図にしか感じません。それでも子孫だけがいい思いをすることに歯止めをかけたという意味では、少しはマシになったといえなくもありませんが。

 

しかも親族には給料を支払い、後は数合わせということもできてしまうでしょう。仮に全員に給料を支払うことを前提としても、子孫は高額、その他はそこそこしか支払わないということもできます。それでも、そこそこもらえれば十分という人にとって見れば、数合わせに自分を使って下さい、なります。だいたい、利益や配当が出ないということになれば、世の中の大半の株式会社がそういう状態です。しかし株式会社の場合には、このような節税ボックスとしては使い勝手が悪いものです。

 

なんでこのような社団法人制度が残っているのか。お金持ちを優遇する措置としか思えませんが、使えるものは何でも使えでいいと思います。