特定組合員の不動産所得に関する損益通算等の特例とは

特定組合員に該当する個人が平成18年以後の各年において、組合事業から生じる不動産所得がある場合、その年の不動産所得の計算で「当該組合事業による不動産所得の損失の金額」があるとき、当該損失の金額に相当する金額はなかったものとされます(措法41の4の2①)。

特定組合員に該当する個人とは、下記の要件を満たすもの以外の組合員のことを言います(措法41の4の2①、措令26の6の2①)。

(a) 組合事業にかかる重要な財産の処分もしくは譲受又は組合事業にかかる多額の借財に関する業務の執行の決定に関与していること、かつ
(b) 当該業務のうち契約の締結をするための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員

なお、この特例には、投資事業有限責任組合契約も含まれていますが、付随事業として金銭債権にかかる担保権の目的として不動産の貸借を行うことが可能となっており、組合員に不動産所得が生じるケースが想定されているためです。また、法人税については匿名組合契約も損失制限の対象とされていますが、所得税についてこの特例の対象から除かれているのは、故人の組合員が営業から分配される利益については基本的には雑所得として取り扱われ、損益通算が認められていないために、損失制限の対象とする必要性がないからです。

ここで、組合事業における不動産所得の損失の金額とは、特例組合員のその年分における組合事業から生じる不動産所得に関係する総収入に算入すべき金額の合計額が、この組合事業から生じる不動産所得を稼ぐにあたってかかる必要経費に算入する金額に満たない場合、その満たない部分の金額に当たる金額のことをいいます。

さて、この組合事業による不動産所得の損失の金額は、各組合契約の組合事業ごとに計算します。そして組合事業による不動産所得の損失の金額は、所得税における法令の適用上は生じなかったものとされますので、その年中の不動産所得の金額がその組合事業による不動産所得の損失だけであれば、不動産所得の金額はないものとみなされます。そのため、給与所得等の他の所得との損益通算はできないことになります。

加えて、その年中に、組合事業による不動産所得の損失の金額以外に、別の組合事業の黒字となった不動産所得の金額があったとしても、その組合事業による不動産所得の損失の金額は他の黒字の組合事業における不動産所得の金額から控除することはできません。