小金持ちに相続税対策は不要か

平成27年からは、基礎控除と法定相続人1名につきの控除額が変わり、基礎控除3,000万円と法定相続人1名につき600万円となりました。そのため、3,600万円以上の資産を持っている人は、相続の対象となる可能性が出てきました。もちろんそう慌てるほどでもなく、法定相続人が増えればそれだけ控除枠が膨らみます。3人いれば、4,800万円です。そのため小金持ちが相続税対策を躍起になって行うほどのものでもないのです。

さて、ここでいう法定相続人の対象とは何かといえば、まず法的に相続する権利が認められている人のことです。基本的には配偶者と直系尊属、つまり親子が法定相続人になります。そのため、配偶者と子供が相続人になると思っておけばよいのです。

しかし配偶者や子供がいない場合もあります。そのときに、他の人たちが法定相続人となる可能性が出てきます。法定相続人の権利を有していた子供が先に死んでいた場合、その子供に子供、いわゆる孫がいれば、その孫が法定相続人となります。仮に死亡した人に子供がいずに、配偶者だけが残された場合には、死亡した人の父母も対象になります。また、死亡者に子供も父母もいない場合には、配偶者はいても兄弟まで対象になります。

まとめましょう。相続人の範囲は、配偶者、子及びその代襲者(孫)、直系尊属、兄弟姉妹及びその子、ここまでです。兄弟姉妹の孫までは対象となりません。

また、相続税率というものは、遺産そのものにかかるわけではありません。そのために最高税率が55%といっても、それは遺産の金額ではなくて、相続人が受け取った金額に対してかかりますから、最高税率が適用されるのはよほどのことになります。遺産そのものが何億円あろうとも、各相続人に分配した後で、それぞれもらった額に応じて税率がかかります。この辺を遺産そのものの金額と誤解してしまう人が多いので注意が必要です。そういう広告が多いですよね。特に不動産、保険等、それを売りたい人たちが騒いで、やたらに恐怖心をあおっています。

例えば、遺産総額3億円としてきましょうか。3億円以下であれば税率45%もかかります!と不動産屋や保険屋の広告を見て思ってしまうのですが、それは違います。

まずは法定相続人が何人いるかを考えましょう。ここでは3人としておきます。そうすると基礎控除と合わせた控除金額は3,000万円+法定相続人3人×600万円ですから、4,800万円を控除しますね。3人のうち配偶者が1名、子供2名としましょう。そうすると以下のようになります。

3億円―控除4,800万円=2億5,200万円

配偶者:1億2,600万円(無税)
子供 :(6,300万円-控除額700万円)×税率30%=1,680万円