有限責任事業組合の法務②~法務の特筆事項~

有限責任事業組合における法務の特筆事項について、以下記述します。

(1) LLPの事業制限
LLPは基本的には事業制限がされていないのですが、有限責任が適当でない業種や組合財産を著しく毀損する恐れのある業種については制限されます。例えば弁護士、会計士等の士業や、競馬競輪などの購入、前者はその責任の限度を出資の価額とするのが妥当ではなく、後者は組合の債権者に不当な損害を与える恐れがあるため、認められておりません。

(2) 出資
LLPの組合員は出資を金銭とその他の財産だけに限定されています。つまり動産、不動産、有価証券はよいのですが、労務出資は認められておりません。

(3) 業務執行と責任
LLPは投資ファンドとは異なって、金銭のみを出資し事業に参加しないということはありません。そのため、LLPの業務執行を決定するには、原則として総組合員の同意によります。但し、総組合員の同意を擁しない事項もありますが、例をあげると次のようなものです。

(a) 重要な財産の処分及び譲受であっても総組合員の同意を要しないもの
その価額がLLPの純資産額を下回る財産の処分及び譲受であること

(b) 多額の借財であっても総組合員の同意を要しないもの
その借財の価額がLLPの純資産額を下回る借財であること

LLPにおいては組合員全員が業務執行組合員ではあるものの、共同事業性が損なわれない範囲で業務執行の分担を行うことができます。業務執行の全部委任は不可ですが、一部のみの委任は可能です。

組合員は原則有限責任ですが、事故の職務を行うについて悪意、重過失があったときは、第三者に生じた損害賠償をする責任を負います。この場合他の組合員もその損害を賠償する責任を負うときは、連帯債務者となって無限責任を負う場合があります。

(4) 加入及び脱退
LLPの組合員資格は、個人や法人に限定され、他の組合員は組合員になれません。また、少なくとも一人は居住者か内国法人である必要があります。加入に当たってはLLP契約の変更、出資の払い込み、全組合員の同意を必要とします。

LLPの各組合員は「やむを得ない場合」を除いて、組合を脱退することはできません。その事情は民法上の任意組合と同様です。

その他、法定脱退もあります。それは①死亡、②破産手続き開始の決定を受けたこと、③後見開始の審判を受けたこと、④除名があります。