有限責任事業組合の法務①~概要と契約書~

欧米には構成員全員が有限責任で、パス・スルー課税が適用される法人があり、2005年に日本でも制度として誕生しました。これを有限責任事業組合(日本版LLP:Limited Liability Partnership)と言います。特色は以下の通りです。

(a) 有限責任性(構成員全員が有限責任)
(b) パス・スルー課税の適用(企業の段階では課税されず、構成員の段階で課税)
(c) 内部自治の原則(出資者が自らの経営を行い、組織内部の取り決めを自由にできる)

要件は以下の通りです。
・共同で営利を目的とする事業を営む。
・組合契約である。
・責任の限度を組合員の収支の価額を限度とする。
・出資者は個人または法人に限定
・出資者は2名以上
・組合員のうち一人以上は居住者又は内国法人

組成手続は以下の通りです。
・組合員となる者がLLP契約書を作成し、締結する。
・LLP契約書に記載された出資にかかる払い込みの全部を履行する
・LLPの事務所の所在地を管轄する法務局でLLP契約の効力発生の登記を行う

LLP契約を締結しようとするものは、同契約の契約書を作成し、LLPの組合員全員が署名(記名押印)をしなければなりません。また電磁的記録で作成もできます。この時は経済産業省令で定める署名や記名押印を行う必要があります。

契約書には、絶対的記載事項と相対的記載事項があります。前者はそれを書かなければ契約の効力を生じない事項、後者は書かなくても契約の効力は生じませんが書いておいた方がいい事項、わかりやすく言うと、こんな感じの区分です。

絶対的記載事項は次のようなものです。
・LLPの事業
・LLPの名称
・LLPの事務所の所在地
・組合員の指名又は名称及び住所
・LLP契約の効力が発生する年月日
・LLPの存続期間
・組合員の出資の目的及びその価額
・LLPの事業年度

上記のような絶対的記載事項以外の事項は組合員の合意で求めることができます。また、LLP契約の規定を変更するときには総組合員の同意が必要となります。但し、「所在地」「事業年度」及び相対的記載事項は、総組合員の同意が必要でないとすることができます。

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