配偶者に対する相続税の優遇措置を上手く活用しよう

配偶者に対しては、相続税の優遇措置があります。1億6,000万円までであれば、無税というだけでなく、故人の遺産の半分までは相続税はかかりません。

遺産は故人と共に配偶者が共に稼いできたと考えるからです。これは何千億円であろうと適用されます。このときは、申告の際に戸籍謄本や遺言書の写し、遺産分割協議書の写しなど、配偶者の取得した財産がわかる書類を添えて提出する必要があります。そして、この控除も相続税の申告後に遺産分割が行われた場合には、分割が決定した日から4か月以内ならば更正の請求ができます。

また、20年以上連れ添った夫婦が家を贈与した場合、それは遺産の額から除外されるという制度が2022年に作られることになっています。つまり配偶者がもらった家は相続分に含めずに、家を除いた他の遺産を相続人で分け合うという形になります。もし遺産分割で家が子供の所有となっていたとしても、元々配偶者が住んでいた家であれば、住み続ける権利も与えられます。

そのため、子供たちが納得するかどうかはともかく、遺産が1億6,000万円以下であった場合、配偶者が全部受け取った方が、相続税的に有利となります。そして配偶者の死亡による相続が起きる前に時間をかけて子供に分配していった方がいいのです。

余計な争続が、相続税を膨らませる。というのはよくある話です。財産に目がくらんでしまうんですよねえ。小金持ちであって数千万円程度の資産しかないのであれば、年間の贈与税無税枠をフル活用することをお勧めします。受贈者一人当たり年間110万しか使えませんが、10年で1,100万円も無税で贈与できます。ちょっとした資産であれば、贈与税もましてや相続税もかからないわけです。

しかも贈与税の基礎控除は渡す側、ではなく受け取る側にかかります。渡す側が何千万もばらまこうと、受け取る側の人数がたくさんいれば構わないのです。例えば、自分の財産5,500万円を5人に10年かけて、渡せば無税で済みます。

さらに、この贈与というものは、親族に限りません。別に赤の他人でもよいのです。相続税の法定相続人とは、あくまでも法定相続人でなければ適用されませんが、贈与税の親族やら法定なんちゃら人のような縛りはありません。

1億円程度の財産を何年もかけて分配し、例えば法定相続人5名として、10年間で5,500万円までが無税、さらにその数年後に実際にお亡くなりになったとして、4,500万円ですから、基礎控除3,000万円と600万円×5名ですから6,000万円までが相続税は無税となります。資産1億円なんて相続する人はそれほど多くはないですよね。

そのため、小金持ちだったとしても、事前準備を怠らなければ、全く相続税とは無縁なのです。しかしながら、みんな突然相続税対策をやらざるを得なくなるから、大変になるのですよ。普通は事前準備なんてしませんからね。