我が国税法における外国事業体の取り扱いについて

外国会社とは、日本において日本以外の国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう(会社法2条2号)とされています。

国税庁はアメリカLLC(Limited Liability Company)の税務上の取り扱いという形式で照会要旨を公表し、その中で、LLCがアメリカの税務上、法人課税又はパス・スルー課税のいずれの選択を行ったかに関わらず、原則的には我が国の税務上「外国法人(内国法人以外の法人)」として取り扱うのが相当としています。

 

また、法人税法2④において外国法人とは内国法人以外の法人として定義しています。そして以下の要件を満たす場合には外国法人となると理解されています。

  • その事業体が他国(又は州)の法律に基づいて設立されたこと
  • 外国の商事会社であること
  • その事業体の設立により登記されたこと
  • その構成員とは別個の法的主体となれること

 

外国法人は、課税所得の範囲として国内源泉所得のみで、制限納税義務者となります。また、平成26年度税制改正において、外国法人の国内源泉所得について、帰属主義の考えに沿った見直しがされました。そして外国法人の恒久的施設に帰せられる所得が定められています。

  • 恒久的施設帰属所得

恒久的施設帰属所得(1号)

  • その他の国内源泉所得

国内にある資産の運用・保有による所得(2号)

国内にある資産の譲渡による所得(3号)

人的役務提供事業の対価(4号)

国内不動産等の貸付対価(5号)

その他その源泉が国内にある所得(6号)

 

いわゆる投資所得(配当、利子、使用料)などについては恒久的施設に帰属しない場合には源泉所得税を課することで完結させ、法人税の申告義務から外しております。また、外国法人に対する課税関係の概要は以下の表のとおりです。

 

区分

PEを有する外国法人

PEを有しない外国法人

源泉徴収

所得の種類

PE帰属所得

PEに帰属しない国内源泉所得

国内源泉所得

事業所得

PEに帰せられるべき所得【法人税】

 

 

なし

国内にある資産の運用・保有

法人税

法人税

なし

国内にある資産の譲渡

国内にある不動産の譲渡

国内にある不動産の上に存する権利等の譲渡

国内にある山林の伐採又は譲渡

買い集めした内国法人株式の譲渡

事業譲渡類似株式の譲渡

不動産関連法人株式の譲渡

国内のゴルフ場の所有・経理にかかる法人の株式の譲渡等

なし

人的役務の提供事業の対価

国内不動産の賃借料等

その他の国内源泉所得

 

20.42%

20.42%

なし

債券利子等

配当等

貸付金利子

使用料等

事業の広告宣伝のための賞金

生命保険契約に基づく年金等

定期積み金の給付店舗金等

匿名組合契約等に基づく利益の分配金

 

源泉徴収のみ

源泉徴収のみ

15.315%

20.42%

20.42%

20.42%

20.42%

20.42%

15.315%

20.42%

国内源泉所得以外の所得

課税対象外

なし