同情されてメリットが欲しければ家なき子制度を活用しよう

小規模住宅の特例の対象は「同居」が要件となっていますが、そうでない場合でも適用を受けられる可能性があります。それが俗にいう「家なき子制度」というものです。「同情するなら金をくれ」ではなく「同情するなら税金を安くしろ」という制度ですね。

これはどのようなケースかと言いますと、「被相続人に同居している相続人がいないこと」「相続人が自分の家を持っていないこと」です。つまり、持ち家がなくて賃貸住宅に住んでいる相続人が、死亡した被相続人の家を引き継いだ場合にこの優遇制度を受けることができます。

もう少しわかりやすく言うと
・死亡した人と同居していた法的相続人がいない
・法定相続人は3年以上賃貸住宅に住んでいる
これを満たした場合は、家なき子制度を使える場合があります。

但し、以下の場合には家なき子制度を活用できなくなりました。

(a) 相続開始前3年以内に3親等の親族等が所有する家屋に居住したことがある者
(b) 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

例えば、自分は家を持っていないが、配偶者が持つ家に住んでいる人は対象外です。配偶者が持つ家を対象としてしまうと、自分の持ち家を配偶者名義にして自分は家を持っていないことにしてしまうことができます。これは同情する必要はありません。家なき子制度とは、持ち家のない人が一人暮らしの親の家を相続しやすくするための制度ですから、持ち家のある人を優遇する措置ではないのです。

また親が子に家を購入すれば贈与税がかかります。相続時精算課税を活用すれば、2,500万円まではその時点では無税で行えますが、被相続人が死亡したときには、相続財産として加算する必要があります。だから、精算時に清算する課税ということなのです。これを回避するためには、親が子にお金を貸すということにして、そのお金を年間110万円ずつ、いわゆる贈与税の範囲内で返済してもらう形をとれば、実質無税で財産移転ができます。

このときには単に貸したことにするだけではいけません。きちんと金銭消費貸借の契約書を作り、利子も取りましょう。リアルに貸し借りをする場合には、返済実績も現金のやり取りだけではなく、銀行振り込みという形を取ればなお完璧でしょう。お金を返したという記録を残すことが重要なのです。

贈与税枠の場合には、申告をすればOKとなりますが、できれば毎月10万円として、110万円の無税枠をわざわざオーバーさせて、数千円の贈与税を支払うようにした方が、なお完璧になります。