アパマン経営は節税になるのか

アパート経営が相続税の節税対策になる、とよく言われます。そしてアパートやマンション経営を行っている資産家は結構いらっしゃいます。さて、これらがどのように節税になるのか、そのからくりを探ってみることにしましょう。これらの節税には二つのポイントがあります。

(a) アパート経営の土地は200 m2までは相続税評価額が低い
アパート経営のための土地は、200 m2までは相続税の評価額が一般の土地よりも半分に減額されます。仮に1億円の土地を購入してアパート経営を行い、オーナーが死亡してその事業を相続人が引き継げば、その土地は5,000万円として評価されます。評価額が小さければ、相続税も安くなるのはわかりますよね。 

(b) ローンの分が相続税資産から減額される
ローンを組んでアパートを購入しますと、その分相続税資産が減額されます。相続税の対象となる相続資産は、資産から負債を差し引いた純額に対してかかってきます。そのため、アパートやマンションの建物を購入する際に、銀行から借金をして購入すれば、その借金分が相続対象資産から差し引きされるのです。

このアパート・マンション経営は、従来から節税対策の定番商品でした。その土地を自分の持ち物として保有していると、相続時にまともに相続税がかかります。しかしアパートやマンションを建てれば不動産事業用の土地ということになり、土地の評価額が半分に減額されるのです。建物の評価額は年々減少して言いますが、銀行からの借入金は徐々にしか減りません。通常、建物の評価額の減少の方が、銀行からの借入返済よりも早くなります。被相続人が死亡時した時点で、建物の評価額よりも銀行からの借入金の方が多いというケースも多いのです。さらに言えば、借入金が多くなった分は、相続資産の減額にもなります。こういったことで相続税を抑えることができるのです。

但し、平成30年4月1日以降に事業を開始した賃貸住宅の土地に関しては、経営開始3年以内に相続が発生した場合には、この特例措置は使えません。従って、死ぬ間際の駆け込みアパマン経営は節税効果はないことになります。

もう一つ重要なことがあります。確かに節税効果はあるのですが、その節税により、支払いを抑えた分が、実はアパートやマンションの建設費、維持費等と比べるとどうでしょうか。実際に手残りは増えたと思いますか。

世の中のほとんどのアパートやマンション経営の節税はまがい物です。節税分以上のお金が単にアパートやマンションの建築を営業した会社に流れているのが大半でしょう。高額商品を購入する場合には、節税という言葉に騙されないようにしましょう。そして実際に節税分も含めたうえで、手残りがどうなるかで判断するとよいと思います。