匿名組合の株式売買取引が否認された事案

匿名組合の株式売買取引における費用が組合員に帰属するか否かについて争われた事件の判例です。

(事案の概要)
株式売買による利益、損失とも出資の割合に応じて各自が享受し、負担するとの内容の匿名組合契約が成立したとして、営業者の段階で匿名組合員への利益分配金を雑所得の計算上必要経費としていましたが、課税庁は匿名組合を否認し、その取引は営業者である納税義務者Xが単独で行った取引であり、その利益はXに帰属するとして更正処分を行いました。

(判決要旨)
XとAらとの間に、事業目的は株式の売買による利得で、出資はXが8,000万円、Aが6,000万円で、営業者はX、利益や損失は出資の割合に応じて各自が享受するという匿名組合契約が成立し、Xは、14分の6の割合による金額は、匿名組合契約の利益配分金として、営業者であるXの雑所得の金額の計算上、必要経費の額に算入されると主張しました。

しかし、AらがXの株式取引に出資した事実や、利益の分配をした事実がなく、匿名組合契約が成立していたとは認められず、必要経費の額に算入されるべきというXの主張は認められないとしました。
(名古屋高裁金沢支部平成7年4月17日判決)

これだけだとわかりづらいですが、きっとXさんは、自分で株式売買は行っていたのでしょう。これが事実ならばAさんは所得税がかかってしまいますね。Xさんはちょっとお粗末ですね。契約だけではダメということです。