匿名組合員の段階における利益や損失の確定時期が争われた事案

匿名組合の損失がいつ確定したかについて争われた事件の判例です。

1.事案の概要

A社は営業者となり、航空機1機のリース事業について複数の匿名組合契約を締結しました。会計報告の計算期間は毎年4月1日から9月30日及び10月1日から翌年3月31日までの期間でした。匿名組合員Xがその計算期間を毎年4月1日から9月30日、10月1日から翌年2月末日、3月1日から3月31日までの期間に変更する覚書を営業者であるA社と行い、その覚書に基づいて、2月決算であるXは、本件リース事業の損失の額のうちXが負担すべき損失の額を本件事業年度の特別損失にして損金の額に計上しました。課税庁は、本件損失は本件事業年度に確定した損失ではないと判断し更正処分を行いました。

2.争点

匿名組合契約にかかる出資者が営業者より受ける利益、損失の分配の確定時期はいつか。

3.裁決要旨 

※国税不服審判所で行われたので判決ではなく裁決です。
営業者は匿名組合契約にかかる事業の収益及び財産を含めて自己の各事業年度の決算を行うことになるので、出資者が営業者より受ける利益の分配は、営業者の各事業年度の確定決算により算定された匿名組合契約にかかる事業の利益または損失の額に基づきなされることになると考えられます。そのため、2月28日時点では確定していないという理由で納税者の主張を退けました。
(国税不服審判所平成4年9月16日裁決)