民法上の組合契約による土地の譲渡・取得が匿名組合契約とされた事案

土地の譲渡が、任意組合ではなく、匿名組合であるとされた事件の判例です。

1.事案の概要

Xは各土地の取得及び譲渡を行ったのは、本件各土地の取得ごとに成立した民法上の組合の業務執行としたものであり、したがって本件各土地における措置法63条の譲渡利益金額は当該組合に帰属する譲渡利益金額の売りXの持ち分に属するものに限られるべきであると処理したところ、課税庁は当該契約は各契約当事者の共同事業ではなく、Xを除く他の契約当事者は単に出損に応じた一定の利益配当を受けるに過ぎないものであるから、これは商法上の匿名組合に該当するものであると認定し更正処分を行いました。

2.争点

土地の譲渡が、任意組合か、匿名組合か。

3.判決要旨

本件各契約の内容を検討すると、特定不動産の購入、利用、譲渡は全て原告名義で行われ、特定不動産の一定の範囲内における利用方法の選択及び売却は全て原告の判断で行われ、原告以外の契約当事者は金員を出損してそれに応じた利益金の分配を受けることの他は、なんら特定の不動産の購入、利用、譲渡に関与していません。本件契約に共同事業性や組合財産の共有を認めることはできず、そのため、本件契約を民法上の組合契約とは考えられません。

また、Xは本件において労務出資をしていたと主張し、利益分配の際には25~30%を控除していたが、一企業体である以上、利益から一定割合を留保し、その中からX自身の諸経費を支出し、残余を社内留保し、その経済的基盤を強化するのは当然のことです。しかも現金を出資した者に対する分配金は出資割合に応じて厳格に計算されていますが、Xの労務自体に対しては割合や金額が明示されていないことも考慮すれば、利益の留保をもって労務出資が前提としていたと結論付けることはできません。
(名古屋高裁昭和61年7月16日判決)

結局、最高裁判所において、上告を棄却し(昭和63年10月13日判決)、本件金銭消費貸借契約は匿名組合契約に該当し、土地譲渡所得は営業者に帰属すると判断されました。