匿名組合契約を用いて租税回避が行われた事案

匿名組合契約を締結することで所得を数名に分散する方法は、租税回避行為であると争われた事件の判例です。

1.事案の概要

被告人会社株式会社乙1(代表取締役乙2)は、建設業等を営業目的とする株式会社であって、被告人乙3は被告会社乙1の専務取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人乙3において、被告会社乙1の業務に関し、法人税を免れようと思い、外注費や給与、賞与の各一部を水増し計上して簿外資金年、未払金として過大な負債を計上する方法で所得を秘匿しました。また被告人乙2は複数のパチンコ店を営業し、被告人乙3は、被告人乙2の代理人としてその業務全般を任され事業を統括するものですが、被告人乙3において、被告人乙2の業務に関し、所属税を免れようとして、売り上げの一部を除外して簿外資金を蓄積する方法で所得を秘匿し、パチンコ事業の収益を匿名組合締結で所得を分散し高い累進課税を回避していました。

2.争点

匿名組合契約を締結することで所得を数名に分散する方法は、租税回避行為であるかどうか。

3.判決要旨

匿名組合契約を締結することで所得を数名に分散する方法は、租税回避目的であり、この契約を合法ということはできません。
(佐賀地裁昭和62年10月24日判決)

パチンコ店や会館の営業に関して匿名組合契約を締結し、その事業の営業により生じた利益の一部を出資率により組合員に配分し、それぞれ所得税の確定申告をしました。所得が2億円あれば一人では最高税率80%が適用されますが、4人に所得を分散すれば一人当たり5千万円となり適用税率は60%くらいで済み、20%程度の軽減となり、それだけ可処分所得が増える、という税理士の考えた節税スキームのようです。