医療法人の届出義務

1.ポイント
医療法人を設立して、1年過ぎて、事業報告等提出書の届け出がないと、都の衛生局より連絡が来ます。医療法人を設立してから1年未満であっても、決算月3か月後までに管轄の衛生局に事業報告書を提出する必要があります。

2.解説
例えば、4月に医療法人を設立し、3月を決算月と定めれば、決算月の3ヶ月後までですから、6月までに事業報告書を届出すればよいということになります。しかし、9月に医療法人を設立し、翌年の3月を決算月とすれば、やはり6月には事業報告書を提出しなければならないので、法人を設立して1年未満であっても提出の義務があるのです。

(1) 作成する事業報告書
医療法人は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、その他厚生労働省令で定める書類(以下「事業報告書等」という。)を作成しなければならないとされています(医療法51条)。作成された事業報告書等は、理事から監事に提 出されます(医療法51条②)。そして、監事は監査をし、監査報告書を作成することになります(医療法46条の4③三)。

(2) 事業報告書の記載事項
事業報告書には(a)「医療法人の概要」、(b)「事業の概要」が記載されます。
(a) 医療法人の概要
医療法人の「名称」「事業所の所在地」「設立認可年月日」「設立登記年月日」「役員及び評議員」を記載します。「役員及び評議員」には役員の種別(理事長、理事、監事、評議員)、氏名、職務等が記載されますが、社会医療法人、および特定医療法人以外の医療法人は記載しなくても差し支えないものとされています。
(b)「事業の概要」
「本来業務」「附帯業務」「収益業務」の概要の他、「当該会計年度内に社員総会又は評議員会で議決又は同意した事項」等を記載します。事業報告書等は、閲覧に供しなければなりません。そして事業報告書は、決まった期日までに、都道府県に提出することが必要です。

(3) 各事務所での閲覧
医療法人(社会医療法人を除く。)は、次に掲げる書類を各事務所に備えておき、その社員もしくは評議員または債権者から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これらを閲覧に供しなければならないとされています。閲覧に供される書類は以下の通りです。
①事業報告書
②財産目録
③貸借対照表
④損益計算書
⑤監事の監査報告書
⑤ 定款又は寄附行為

(3) 閲覧を行わないことができる「正当な理由」
個人情報の保護の場合や法人の業務の運営が不当に害される恐れがある場合、法人の執務時間外の閲覧請求などの場合に、閲覧を行わない「正当な理由」があるとされます。

(4) 都道府県での閲覧
都道府県への届出書類は、債権者等の他一般の者も閲覧可能です。閲覧請求があった場合、正当な理由があるか否かを問わず、これを閲覧に供しなければなりません。なお、閲覧の対象書類は、過去3年間に提出された新様式の書類について行われます。つまり、基本的には過去3年間に提出された書類が閲覧対象となります。