基金拠出型医療法人と解散

1. ポイント
基金拠出型医療法人は、出資ではなく基金拠出なので後継者がいる場合には継承しやすいですが、後継者がいない場合には解散時、国や地方自治体、医師会等に残余財産が帰属します。

2.解説
基金拠出型法人の場合、解散時における残余財産は①国、②地方公共団体、③公的医療機関の開設者、④財団または持分の定めのない医療法人、⑤都道府県医師会または郡市医師会のうちいずれかに帰属されます。従いまして、個人へは分配されません。また、医療法人を解散する場合には、以下のことが必要です。
(a) 目的たる業務の成功の不能
(b) 社員総会の決議
(c) 社員の欠亡
(d) 他の医療法人との合併
(e) 破産手続開始の決定
(f) 設立認可の取消

「持分なし」の社団医療法人の活動資金の調達手段として、定款の定めるところにより、基金制度の採用を可能としました。この基金制度を採用した「持分なし」の社団医療法人を「基金拠出型医療法人」といいます。

なお、基金制度は以下の点が挙げられます。
(a) 基金は利息を付さない債権(残余財産に含まれない)である。
(b) 拠出者への返還額は拠出した当時の額が限度になる。
(c) 基金の返還は定時社員総会の決議が必要。
(d) 基金の返還は、貸借対照表上の純資産額が基金の総額等を超える場合における当該超過額を限度とする。
(e) 基金の返還は、当該会計年度の次の会計年度に関する定時社員総会の前日まで。
(f) 基金を返還する場合は代替基金を計上。代替基金を取り崩すことは不可。
(g) 基金および代替基金は貸借対照表の純資産の部に計上。