医療法人は配当が可能か

1.ポイント
たくさん利益が出てしまったので、出資者に配当金を出したいところですが、医療法人は医療法によって、剰余金の配当を禁止しています。そもそも医療法人は営利を目的とすることができないのです。儲けていけないわけではないのですが、儲けられないというのが医療法人なのです。

2.解説
決算は営利法人等と同様に行われますが、いくら利益があっても、出資者等に利益を分配することはできません。医療法第54条において、医療法人は、剰余金の配当が禁止されています。純然たる剰余金の配当だけでなく、それに近いことも禁止されています。その例としては以下のようなものが挙げられます。

(a) 正当な根拠がなく、役員および社員もしくはこれらの者と親族関係にある者(以下、役員等とします)に対して、医療法人の資金等を貸し付けること。
(b) 医療法人が、役員等やMS法人が所有等している資産を過大な賃借料で賃借すること。
(c) 役職員に対して、算定根拠や支払根拠が不明確、または額が過大な退職金を支払うこと。
(d) 役職員の勤務実態と比較して、過大な給与または役員報酬の支払いをすること。
(e) 医療法人が第三者(役員等を含む)の債務を保証すること。
(f) 第三者名義(役員等を含む)の債務を医療法人へ名義を移転すること。

また、医療法人が剰余金の配当をした場合、または事実上の利益分配と考えられる行為をした場合は、医療法第76条第5項規定によって、理事または監事は、20万円以下の過料に処されます。

剰余金の用途には、設備投資や法人職員の待遇改善など認められている範囲もありますので、有効な活用方法を検討するとよいと思われます。