個人事業医者の分院は可能か

1.ポイント
医者の子供が医者になったとします。今のところ大学病院で働いていますが、そろそろ自分の下で働かせたいのですが、せっかくだから、近くのエリアで別の診療所を持たせたいと思ったのですが、医療法人化していない場合は、分院はできません。

2.解説
個人では分院は不可能ですが、医療法人を設立すれば、可能になります。しかも医療法人であれば、後継者を理事と社員に加えて、医院と診療所の管理者を変更すれば、相続や事業承継対策もできます。

長年、地域医療に関わって、経営が安定している医院で手元に多くの現預金が残っていれば、分院の開設も行える財力やブランド力があるのですが、個人では認められないため、これが医療法人化するメリットの一つと言えます。分院を設立することで、診療所を拡大、エリアの拡大、そして、共同購入によるコスト削減などのメリットがあります。

また、分院の方では自由診療に力を入れるといった、本院との別サービスによる経営もできるようになるでしょう。複数の都道府県にまたがった分院の場合は、広域医療法人の認可を厚生労働省に受けることで可能になります。一番重要なことは、院長になる信頼できる医師の確保でしょう。一から立ち上げて苦労した人と、雇われたことしかない人の間では経営の感覚には開きがあるものです。分院長には、開設する際の連帯保証になってもらうといった勤務医と経営者は異なるという意識づけも不可欠になります。

そうは言っても、一から立ち上げるのと比べれば、苦労も少ないことも事実です。このような環境であれば、後継者教育も比較的行いやすいでしょう。