役員退職金の支給金額と支払方法

1.ポイント
役員退職金は規程を整備しておき、規定に基づいて支給しましょう。そして具体的な金額の決定は臨時社員総会での決議を必要とします。

2.解説

(1) 退職金で考慮すべきこと
役員に対する退職金については、以下の点を考慮し、計算します。
(a) 役員の勤続期間
(b) 退職の事情
(c) 同種同規模法人における役員退職金の支給状況

(2) 退職金の計算式
以下の計算式であれば、相当とみなされ損金算入が可能です。不相当に高額な部分は、損金に算入されないので、適正な役員退職金を算出することが重要です。

(a) 功績倍率法
退職金=退職前の報酬月額×勤続年数×功績倍率
(b) 1年あたり平均額法
退職金=類似比較法人の1年あたりの退職金平均額(※)×勤続年数
(※)(b1) 比較法人の役員退職金÷在職年数
(b2) (b1)/比較法人数

(3) 損金算入時期
役員退職金の損金算入時期は、社員総会の決議等により、その額が具体的に確定した日の属する事業年度となりますが、2つの考え方があります。
(a) 確定日基準
社員総会で金額を確定し、
(役員退職金)1,000万円/(未払金)1,000万円
という処理を行えば、その事業年度の損金に算入されます。

(b) 支給日基準
医療法人がその退職金の額を支給した日の属する事業年度において、その支給した額につき損金経理した場合には、その事業年度の損金として取り扱うこともできます。従って、社員総会で金額を確定したとしても、実際に支給した日に損金経理すれば、その事業年度の損金として取り扱われます。

なお、役員に対する退職金をその額が具体的に確定した日以後の事業年度に支給した場合、その支給額を当該事業年度で仮払金等として経理処理を行い、その後の事業年度においてその仮払金等を損金経理により償却したとしても、損金の額に算入することはできなくなります。

(4) 退職金の源泉所得税の延滞税
退職金を支給した月の翌月10日までに源泉所得税を納付しなければなりません。源泉所得税を納期限までに納めない場合、不納付加算税と延滞税が課されます。不納付加算税は原則10%ですが、税務署から通知などがくる前に自主的に納付すれば5%となります。