メディカルサービス法人の役員と医療法人の理事長は兼務できるか

1.ポイント
取引関係のあるメディカルサービス(MS)法人と医療法人の理事長は原則兼務できません。

2.解説
医療法人とMS法人は、取引関係にあって利害が相反します。利益相反する2法人の代表者が同じ人物であるときは、医療法人はその意思決定において原則である非営利性を貫く必要があります。一方で営利法人であるMS法人は、会社という性質上営利を追求することになります。これは医療法人における非営利性に抵触します。

理事長ではない理事の場合はどうでしょうか。理事は、民法上では対外的に法人を代表するとされますが、医療法人においては、定款により理事長だけが医療法人を代表することとなっています。法律上は、平理事とMS法人の役員を兼任していることは禁じられていませんが、医療法人行政においては、医療法人と取引のあるMS法人の役員重複を認めない行政指導がされています。

各都道府県の手引書などで、取締役と理事の兼職を認めないとするものがあります。行政指導は法的な拘束力は持ちませんから、即違法とはなりません。しかし、厚生労働省は「医療法人とMS法人間に取引関係のある場合、あるいは医療法人が出資を受けている場合は原則兼務を認めない」という方針を示唆していますし、兼任しない方が無難だと思われます。