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マニュアル頼りがリスクを生む

日本では、成熟期を過ぎて、現在は苦境に立たされている企業が多くあります。それは、資本や人材が集まったものの、量的変化から質的変化を読み取れず、転換期を失ったことが一つの要因でしょう。また、経済性を追求しすぎて、技術が衰退してしまったという見方もあります。

 

技術が成熟期を迎えるころには、それまでいくつかに分かれていた技術の脈絡が単線化します。それまでの試行錯誤の結果から得た「上手くいく方法」だけを残すためです。これは作業を効率化し、操業度を高め、利益を向上させるためにも重要です。また、多くの企業が品質の安定化を図るために、品質管理に力を入れます。これはクオリティ・コントロールと言いまして、誰がやっても同等の品質をあげるためにマニュアル化されます。

 

作業がマニュアル化すると、効率は上がるものの、従業員はマニュアルに書かれていること以外はできなくなり、次第に創造力や考察力が低くなっていきます。そのため会社は見かけ上は利益も上がっているのに、その内容は技術が低下して貧弱なものになっていくのです。そのことに気づかずに利益を上げることだけに躍起になって、マニュアル化を進めると、組織内の個々人が、狭い範囲を決めて、その範囲内の仕事だけをやるようになり、組織的にもそれを強制します。つまり他の事は一切考えずに、個人は自分の持ち場だけをこなすことになります。

 

企業規模を拡大したり、あるいはその逆の縮小もあるでしょうが、大幅なシステム改革を行う段階で、局所的には正しい見方ができても、全体を見渡せない人しかいなくなってしまいます。こうなると組織の致命的な失敗を招く原因となるのです。

 

マニュアル頼りになってしまうと、トラブルが起きたときにマニュアルに書いてないと何もできなくなってしまいます。マニュアルに書いてあるようなトラブルだったら対応できるかもしれませんが。しかしトラブルでも、事象が変われば、全く別の対応をしなければならないことだってあるかもしれません。マニュアル通りに対応したために、被害が拡大することは少なくありません。

 

マニュアル頼りは、色々な製造現場で良く見受けられますが、このような状態を放置していると、個々人の技術力も衰退していき、組織として致命的な大事故が起きる可能性も否定できず。取り返しのつかない失敗を招くことになりかねません。

 

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