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ヒューマンエラーを織り込んだ制度設計をせよ

ヒューマンエラーを織り込んだシステム作りが必要でありますが、実際にそのようなシステムを作るとなると、膨大な費用は時間が必要となるため、中々進まないでしょう。採算に合わないために、必要なことは確かでも未だ起きていない失敗に投資するのは難しいという判断です。しかし、資金はかかろうと、それを安全に対するコストだと考える必要があります。これから起こる失敗、つまり潜在的な失敗に対する損失を計算して、それをコストとして勘定する必要があります。

例えば鉄道、これは事故の戦いとの歴史です。日本の鉄道の安全性は世界一であると言っても過言ではないでしょう。しかし、昔は多くの悲惨な事故を起こしてきました。鉄道事故でもっとも恐ろしいのは、列車同士の衝突事故でしょう。その事故の多くは、運転士による信号の見落としがほとんどと思います。事故が起きると、運転手の責任にする傾向がありますが、正面衝突してもっとも危険なのは運転手本人です。そのため、それだけは彼らは誰よりもわかっていますから、常に気持ちを引きしめて慎重に運転していると思われます。それでも体調が悪かったり、眠かったり、一瞬他の事に気を取られて信号を見落としてしまうこともあります。

そのため、鉄道会社はオートマチック・トレイン・ストップという自動列車停止システムを導入しました。これは、列車が停止信号の数百メートル手前まで接近したときに自動的にブザーが鳴り、5秒間運転手が何もしなければ、自動的に非常ブレーキがかかり、列車が停止するというシステムです。

運転手は安全性もさることながら、定時運行を最優先にするという任務があります。常に緊張感を持って運転しているのですが、心配事などを抱えていると、信号を見落としてしまうことがあります。心はここにあらず、常に体が列車を進めようと動いています。その結果、眼の列車と衝突してしまいます。そこで、完全対策のために、オートマチック・トレイン・コントロールという、運転手が信号を見落としても電車を進めようとしたら自動的に停止するというシステムを作ったのです。JR東日本は、8,000億円以上もの資金と投入するという英断を下し。鉄道衝突事故が半減するに至ったそうです。また、衝突事故に次いで多い踏切事故についても80%減少したそうなのです。

それがいいものだと分かっても巨額な費用を投じるには相当な勇気があったでしょう。日本の鉄道ほど、時間厳守な交通手段は世界のどこに行ってもありません。予定が遅れることは想像できませんが、安全であれば、やむなしという考え方も、日本人が持たなければならないのかもしれませんが、鉄道には感謝ですね。

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