事業用買換の特例

個人が、事業の用に供している特定の地域内にある土地建物等(譲渡資産)を譲渡して、一定期間内に特定の地域内にある土地建物等の特定の資産(買換資産)を取得し、その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供したときは、一定の要件のもと、譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができます。これを、事業用資産の買換えの特例といいます。

1.通常の場合

1

譲渡資産および買換資産は共に、事業用であること。

2

この特例の適用を受ける目的で一時的に事業のために使ったものでないこと。

3

たまたま物品置き場、駐車場として事故が使用したもの、またはこれらの用に一時的に貸し付けたものではないこと。

4

店舗兼住宅は事業用部分のみ適用可能。住宅部分は居住用3,000万円特別控除等の特例適用可能。また、居住用部分が10%未満の場合、全部事業用とみなしてよい。

5

原則として、買換資産の面積は譲渡資産の面積の5倍を限度とします。

6

譲渡年(又は前年)に買換資産を取得すること。又は譲渡年の翌年中に取得する見込みであること。国内財産に限ります。

7

買換資産を取得した日から1年以内に事業のために使うこと。

8

収用・交換等による譲渡及び贈与・交換等による取得でないこと。

9

譲渡年の翌年3月15日までに確定申告すること

10

以下の譲渡資産を譲渡し、その号の買換資産を取得すること。

(譲渡資産1号)

既成市街地等内

工場・作業場・研究所・営業所等の建物とその敷地である土地等

所有期間は10年超

(譲渡資産7号)

国内にある土地等・建物・構築物

所有期間は10年超

 

(買換資産1号)

国内にある土地等・建物・構築物

所有期間は10年超

(買換資産7号)

国内にある土地等・建物・構築物

 

2.特別の場合

1

[通常]5において、5倍を超える買換の場合

2

2以上の資産を譲渡した場合

3

譲渡資産のうち長期保有資産と短期保有資産がある場合

4

譲渡資産・買換え資産の所有者と事業主が異なる場合

5

同年に他の特例(収容・交換等)の適用を受ける場合

6

その他の特殊ケース

 

3.課税の繰延割合(7号買換)

課税の繰延割合は原則80%ですが、改正地域再生法の施行日(平成27年8月10日)以後に譲渡資産の譲渡・買換資産の取得の両方があった場合には、次のようになります。

区分

課税の繰延割合

地方⇒東京23区

70%

地方⇒東京23区以外の大都市

75%

上記以外

80%

 

4.事業用買換の特例適用買換資産の取得価額と譲渡所得金額(課税繰延割合が80%の場合)

 

事業用買換の特例の適用を受けた場合の買換え資産の取得価額は、買換え資産の実際の購入代金等ではなく、次の区分によるそれぞれの金額になります。以後、その金額を対象に減価償却費の計算を行います。

 

 

買換取得資産の取得価額

譲渡所得金額

A=C

B×0.8+A×0.2

(A-B)×0.2

A<C

B×0.8+C-A×0.8

 

A>C

B×C×0.8/A+C×0.2

A-C×0.8-B×(A-C×0.8)/A

A=譲渡代金

B=譲渡資産の取得費・譲渡費用

C=買換え資産の取得価額(仲介手数料、登記費用等を加算)

 

5.買換資産の取得日(取得日の引継ぎなし)

買換資産の取得日は、買換資産を実際に取得した日です。