交換の特例

個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。

1.通常の場合

1

引渡資産と取得資産は共に交換時固定資産であること。

法人、個人を問わず棚卸資産(商品)であること。

2

同種資産の交換であること

(適用可能)土地と土地の交換、土地と借地権との交換、建物と建物の交換

(適用不可)土地又は借地権と建物との交換

3

引渡資産は1年以上所有していること

(適用可能)1年以上所有

(適用不可)1年未満の所有

4

取得資産は相手方が交換目的で取得したものではなく、かつ1年以上所有していること。

(適用可能)相手方が交換目的で取得したものではなく1年以上所有

(適用不可)相手方が交換目的で取得したもの

      相手方が交換目的で取得したものではなく1年以上所有

5

交換の相手方は個人、法人どちらでも適用可能。

6

取得資産を引き渡し資産の直前の用途に用いること(注1)

<具体例>引渡資産の譲渡直前の用途 取得資産の新しい用途

 土地  宅地          ⇒宅地

     田畑          ⇒田畑

     山林          ⇒山林

 建物  居住の用        ⇒居住の用

     店舗又は事務所用    ⇒店舗又は事務所用

     工場用         ⇒工場用

     倉庫用         ⇒倉庫用

※宅地⇒田畑や居住用⇒店舗用にすると同一用途に用いないもののみ適用不可となります。

7

交換差金が交換売買金額の高い方の20%を超えないこと

8

翌年3月15日までに[6]の用途に用いること。

 

2.特別の場合

1

土地・建物込みと土地・建物込みとで交換した場合

土地は土地、建物は建物と交換したことになるので、全体が等価でも差額が出る場合があり、その差額は各々の交換差金とみなされます。

2

取得資産を複数取得し、そのうち一つを同一用途に供しない場合

3

土地は交換、建物は売買とした場合

4

取得資産を同一用途に供するため、改造等をした場合

5

同一資産を一部分を交換にし、残りの部分を売買にしている場合

6

その他の特殊ケース

 

3.交換の特例適用時の交換取得資産の取得価額と譲渡所得

交換の特例を適用した場合の交換取得資産の取得価額と譲渡所得については、次の区分によるそれぞれの交換の金額となります。以後、その金額を対象に減価償却の計算を行います。

 

 

交換取得資産の取得価額

譲渡所得金額

A=C

B

 

A<C

B+E

 

A>C

B×C/(C+D)

D-B×D/(C+D)

 

A:交換譲渡資産の時価

B:交換譲渡資産の取得費・譲渡費用

C:交換取得資産の時価

D:取得した交換差金等

E:支払った交換差金等

 

4.交換取得資産の取得日(取得日の引継ぎあり)

交換取得資産の取得費は、交換取得資産の取得日を引き継ぎます。

 

5.ポイント

(1) 交換の譲渡費用には以下の①~③があります。

①仲介手数料、取り外し費、荷役費、運送保険料その他譲渡に要した経費

②交換のために、土地の上にある建物等を取り壊した場合の取壊し費用とその建物の未焼却残高(取壊しに伴い借家人に支払った立退料を含む)

③交換のために支払った費用が、交換譲渡資産のために要した費用か、交換取得資産のために要した費用か、明らかでないときは、その費用の50%ずつをそれぞれに区分します。

(2) 交換取得資産の登記費用は原則として交換取得資産の取得価額となります。交換取得資産が業務のために用いられるときは、不動産所得等の必要経費となります。

(3) 交換取得資産を引き渡し資産の譲渡直前の用途と「同一用途に供すること」とは、

双方とも同一用途に供する必要はなく、交換の特例を受けようとする者が同一用途に供して入れば、相手方が同一用途に供さなくても交換の特例の適用があります。

交換取得資産を交換直後に他に転売したときは同一用途に供したことになりません。

(4) 同一用途に供する時期

その交換の日の属する年分の確定申告書の提出期限までに同一用途に供する。

同一用途に供するために、改造等が必要な場合には、確定申告書の提出期限までに、改造等に着手していること(改造等は相当期間内に完了する見込みであること)

(5) 交換取得資産を複数取得し、そのうち一つを同一用途に供しない場合は、同一用途に供しない資産が交換差金となります。

(6) 同一資産の一部を交換とし、残りの部分を売買としている場合は、売買部分が交換差金となります。

(7) 土地は交換、建物は売買によって譲渡した場合

次の(a)(b)を満たす場合は、土地について交換の特例を適用できます。

(a) 土地と土地の交換が等価であること

(b) 建物の売買価額が時価相当額であること

(8) 交換取得資産を再交換する場合の所有期間の判定

交換取得資産を譲渡する場合、交換王と資産の取得費、取得日の引継ぎをします。

再交換する場合に「1年以上所有していた固定資産」に該当するかどうかは、実際に交換によって取得した日を基礎として判定します。

(9) 借家権は固定資産に含まれないので、交換の特例の適用はありません。