フランチャイズ権譲渡の手続き

フランチャイジーがフランチャイズ権の譲渡を行いたいと申し出てきた場合には、投資資本の回収、譲渡差益の獲得、不採算部門の切り離し、事業の集中等の理由があります。

譲渡予定先は、新たな第三者ですが、そのフランチャイジーとしての適性を判断しなければなりません。それは新規でフランチャイズに加盟するときと同様です。譲渡を承認する場合には、当事者間の権利義務関係を明確にしておかなければなりません。

(a) フランチャイザーに対するフランチャイジーの債務の承継
譲渡人(旧フランチャイジー)は、契約関係から離脱しますから、フランチャイザーの債権債務関係は解消されることになりますが、このときに譲受人(新フランチャイジー)がその債務を承継するのかどうかについて、明確にしておきましょう。

(b) 加盟保証金の承継
通常は、譲渡人の離脱において、フランチャイザーに対する債務が加盟保証金から充当され、残額については、譲渡人に返還されます。しかし加盟保証金を譲受人に承継される場合もありますから、加盟保証金から控除すべき譲渡人の債務の範囲を明確にしておきましょう。

(c) 譲受人に対する開業前研修
譲受人が、当チェーンの別フランチャイジーであれば研修も不要ですが、全くのド素人であれば開業前研修が不可欠であり、当然研修費用が掛かります。その旨、明確にしておきましょう。

(d) 承諾料
賃借権の譲渡がなされると、賃貸人から譲渡人に対して承諾料を請求することがあります。新フランチャイジーから、承諾料を取るのかどうか、明確にしておきましょう。

(e) マニュアルなどの引継ぎ
譲渡人が所有する什器備品は、譲受人との契約で処理されます。マニュアルについても現状を確認し、譲受人への承継を認めるのが一般的であると思われます。

(f) 秘密保持義務、競業避止義務
譲渡人も、譲受人も秘密保持義務や競業避止義務を負うことは言うまでもありません。

(g) 連帯保証人の変更
連帯保証人も変更されると思われますので、きちんと確認しましょう。

(h) その他
店舗の賃貸借契約、リース契約、飲食店の営業許可、酒類の販売免許等のチェックもしておくべきでしょう。

譲渡人が譲受人に対して、虚偽の事実を告げて、フランチャイズ契約に引き込むことがあります。後日トラブルに巻き込まれないためにも、フランチャイズ権譲渡の場合にも、新規加盟の時と同じように対応しましょう。