フランチャイズ・システムと類似の制度

フランチャイズ・システムと類似の制度としては、代理店制度、ボランタリー・チェーンがあります。それぞれを見ていきましょう。

 

(a) 代理店制度

代理店制とはメーカーが自社の製品を販売するために、第三者(代理店)にその商品を購入してもらって消費者に対して再販売したり、代理店に対して販売行為を委託する契約形態です。

 

専門的な定義としては、「定型的な約款に基づいて、ある事業者の販売する商標のついた一定の種類の商品を継続的に買い入れて再販売したり、または委託を受けてこれを販売する事業者であって、チャネル・リーダーのマーケティング・プランに協力するもの」といえます(川越憲治『最新販売店契約ハンドブック』(ビジネス社、1986年))。

 

フランチャイズとの異動は、フランチャイズがフランチャイザーからフランチャイジーへの商標やノウハウの使用許諾を目的としますが、代理店では、メーカーの商品を販売することが目的になります。とはいえ、代理店制でも、ブランド名は統一されており、販売方法、販促方法もメーカーなどの事業者のサポートを受けます。

 

(b) ボランタリー・チェーン

ボランタリー・チェーンとは、日本ボランタリー・チェーン協会によれば、「異なる経営主体同士が結合して、販売機能を多数の店舗において展開すると同時に、情報等を本部に集中することによって組織の統合を図り、強力な管理の下で、仕入・販売等に関する戦略が集中的にプログラム化される仕組みとその運営」と定義されています。

 

フランチャイズ・チェーンが本部と加盟店との1対1の契約関係であるのに対し、ボランタリー・チェーンは、加盟店同士が横のつながりを持ち、自発的に組織された総会等によって運営されます。通常、日常的なチェーン運営は加盟店総会から委託された本部が行うので、本部の指導力が強化されれば、フランチャイズ・チェーンとは近い存在と類似したものとなります。

 

代理店であろうと、ボランタリー・チェーンであろうと、実質的にフランチャイズともみなされれば、フランチャイズ・チェーンとしての規制に従うことになりますから、名称で代理店としても、実質がフランチャイズであれば、フランチャイズとされることに注意しましょう。なお、中小小売商業振興法とフランチャイズ・ガイドラインは以下のようになります。

 

 

中小小売商業振興法

フランチャイズ・ガイドライン

適用事業

小売業、飲食業のみ、サービス業には不適用

全ての事業

契約の要素

約款性

継続的な商品を販売、斡旋

経営指導、商標等の使用

加盟金、保証金等の徴収

統一的契約

商標等の使用許諾

統制、指導、支援

対価の支払い

契約終了の定め

実施すべき事項

所定の事項について書面(法定開示書面)の交付

加盟店募集に際しての所定の事項の開示・説明

業者指定、販売方法、販売価格等につき、フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度を超えた制限をしないこと