信託不動産の税務

集団投資信託、退職年金等信託、法人課税信託のような、但し書き信託以外は、税法上、パス・スルーとして取り扱われ、信託財産にかかる資産、負債、収益、費用は受益者に帰属します。従いまして、信託から現実的に現金等の分配がされていなくても、信託に収益が生じた時点で収益認識をしなければなりません。

受益者等課税信託の受益者である個人は、その信託の計算期間に関わらず、受益者の其年分の各種所得の金額の計算上、総収入金額や必要経費に算入します。

また、受益者等課税信託を通じた投資は、純額方式のような簡便な処理は認められておらず、厳密な総額方式によるパス・スルー処理を行う必要があります。

信託を通じて個人が不動産に投資を行う場合、任意組合等を通じた場合と同じく、損失の利用に制限規定があります。ここでも特定受益者に該当する個人が、信託から生じる不動産所得を有する場合、損失の金額はなかったものとされます。また、組合事業から生じる不動産所得の損失と同様に、他の所得との損益通算の規定の適用を受けられないのみならず、他の信託や組合事業による不動産所得を有する場合、黒字から控除もできません。

受益者等課税信託の受益者であれば全て本信託の損失取込規制の対象となります。つまり特定受益者に該当するということです。

また、受益者等課税信託の受益者がその有する受益権を譲渡した場合、その信託財産に属する資産および負債の譲渡が行われたものとして取り扱われます。