転換社債等が株式に転換された場合の課税の取り扱いについて

転換社債等が株式に転換された場合の課税の取り扱いについて、以下、概観してみましょう。

(1) 転換社債型新株予約権付き社債が株式に転換された場合

新株予約権付社債に付された新株予約権の行使に際して、代用払い込みを行う場合、その社債部分を現物出資するものと考えられています。

この社債部分の譲渡については、原則、有価証券の譲渡として取り扱いますが、新株予約権の行使でその取得の対価として取得をする法人の株式が交付される場合には、これら社債の譲渡はなかったものとされます。この場合、株式の取得価額は、新株予約権付社債の取得価額とされます。

このときに、譲渡した社債の価額と株式の価額が同額でない場合は、その差額を株式等にかかる譲渡所得等として課税されます。

(2) 上場株式等償還特約付社債が株式に転換された場合

上場株式等償還特約付き社債とは、社債にオプション等のデリバティブが組み込まれている金融商品のことでEB債(Exchangeable Bond)と言います。税法では、「社債であって、上場株式等にかかる株価指数又は当該社債を発行する者以外の者の発行した上場株式等の価格が予め定められた条件を満たした場合に当該社債の償還が当該社債の額面金額に相当する金銭又は当該上場株式等で行われる旨の特約が付されたものをいう」としています(措令25の10の2第14項13号)。

さて、平成28年1月1日以降、特定公社債の元本の償還により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計金額は、上場株式等にかかる譲渡所得等の収入金額とされます。

つまり、社債の償還によって、上場株式が交付される場合で、その交付される上場株式の価額と社債の取得価額が異なる場合には、償還時に課税関係が発生します。場合分けすると以下の通りです。

(a) 取得した上場株式の価額>EB債の取得価額
上場株式等にかかる譲渡所得等、20.315%の申告分離課税が適用されます。

(b) 取得した上場株式の価額<EB債の取得価額
他の上場株式等の上場益との損益通算ができます。なお、損失となる場合は、確定申告書の提出を行い、申告分離課税を選択した配当所得等との損益通算及び損失の繰越控除の適用が受けられます。

上場株式の取得価額は、社債の償還日における上場株式等の価額、つまり時価になります。