個人の株券貸借取引による課税

株券の貸借取引を行った場合における、個人の所得税の取り扱いを見ておきましょう。

1.株券の譲渡

株券貸借取引とは、金融商品取引業者が取引終了日に投資家から借り受けた株券と同種、同等、同数の株券を投資家へ返還することを約束する取引のことです。法人税法や金融商品会計基準では、これらは株券のリスクが移転していないために、株券の譲渡はなかったとして取り扱われております。所得税上には明確な規定はないのですが、法人税法上と同じ取り扱いになるものと思われます。

2.賃借料及び配当代わり金

株券の貸借取引から生じる賃借料は雑所得に該当します。

配当代わり金として受領する場合には、配当所得として取り扱ってよいか問題が生じます。ここでは国税庁の質疑応答事例としまして、「特約の付された株券貸借取引にかかる特約権料などの課税の取り扱い」において、個人が受け取る株券貸借取引にかかる賃借料は株券貸借取引に生ずる果実であることから、雑所得として扱う、というだけでなく、配当代わり金についても、株主たる地位に基づいて受ける配当金ではなく、株券貸借取引から生じる果実であるため、配当所得ではなく雑所得であるとされています。