外国源泉税が課されるときの外国税額控除の適用について

居住者である個人が国外上場株式の配当で国外で支払われるものを国内の支払い取扱者を通じて支払いを受ける場合には、配当に対しては源泉徴収が行われます。そして配当に外国所得税が課されている上場株式の場合には、その外国所得税を控除した後の配当金額とされます。個人投資家は以下の処理を行うことになり、その処理によって外国税額控除の適用可否が決まってきます。

1.外国税額控除の適用の可否

(a) 申告不要
源泉徴収のみで課税関係が終了しますので、外国で課された所得税について外国税額控除の適用はできません。

(b) 総合課税の配当所得として申告
配当に課された外国所得税は、外国税額控除の対象となります。確定申告書に記載する配当金の収入金額は外国源泉税額及び国内源泉徴収税額を控除する前の金額になります。

(c) 申告分離課税の上場株式等の配当所得として申告
配当に課された外国所得税は、外国税額控除の対象となります。上記(b)及び(c)の場合、外国税額控除の適用を受けるために、その年の他の外国所得税もこの対象としなければなりません。適用を受けない場合でこの外国所得税が不動産所得、事業所得、山林所得、一時所得、雑所得にかかるものであれば、必要経費として取り扱うことはできますが、配当所得によるものである場合、配当収入から外国所得税を控除できません。

2.外国税額控除の方法

外国税額控除の方法は、次の通りです。
(a) 適用時期
外国所得税の納付が確定した日が属する年ですが、継続適用をすれば、実際の納付日に属する年で適用も可能です。

(b) 邦貨換算
外国税額については、当該配当等の額の換算に適用する為替相場で日本円に換算します。

(c) 控除限度額の計算

控除限度額=その年分の所得税の額×その年分の国外所得金額/その年分の所得総額

控除すべき外国所得税の額は、外国で課された所得税の額が所得税の控除限度額を超えるか否かで異なります。控除しきれなかった場合には、この金額について復興特別所得税の額、地方税の順に、それぞれ計算する控除限度額を限度として、これら税額から控除できます。

復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得額×その年分の国外所得金額/その年分の所得総額

地方税の控除限度額=所得税の控除限度額×30%

(d) 控除限度超過額の繰り越し
翌年以降3年間の繰り越しが可能です。

(e) 控除余裕額の繰り越し
控除余裕枠を翌年以降3年間の繰り越しが可能です。なお、復興特別所得税については控除余裕枠の繰り越しはありません。

また、外国税額控除の適用を受けるための必要添付書類は次の通りです。
(a) 外国税額控除に関する明細書
(b) 外国所得税を課されたことを証する書類
(c) 外国所得税の納付を証明する書類