みなし配当やみなし譲渡の取り扱い

株主が法人から金銭の分配を受けるときに、原資が何かによって課税関係が異なります。例えば、資本剰余金の減少に伴う剰余金の配当は「資本の払い戻し」として取り扱われ、みなし配当となる可能性があります。

1.みなし配当とは

みなし配当は、資本の払い戻しで交付を受ける金銭や金銭以外の資産の価額の合計額のうち、資本の払い戻しを行った法人の、この払い戻し直前の対応資本金等の額を超える金額のことです。

みなしというくらいですから、配当ではないけれど、経済的実態が利益配当と変わらないので、配当とみなす、という意味です。みなし配当の発生要因は以下の通りです。

  • 会社合併(適格合併であればみなし配当は生じません)
  • 分割型分割
  • 資本や出資の減少又は解散による残余財産の分配
  • 株式の償却
  • 自己株式の取得
  • 社員の退社や脱退による持ち分の払い戻し

2.みなし配当の計算

みなし配当の計算は以下の通りです。

なし配当=

資本の払い戻しにより交付を受ける金銭及び金銭以外の資産の価額の合計額-

法人の資本の払い戻し×払い戻しにより減少した資本剰余金の額/(払い戻しの日に属する事業年度の前事業年度末の資産の帳簿価額-負債の帳簿価額)×

各投資家の資本の払い戻し直前の所有株式数/法人の資本払戻直前の払い戻しの株式総数

払い戻し金額

みなし配当

 

譲渡益

対応資本金等の額

譲渡原価

ちなみに資本の払い戻しのうち、みなし配当とされる金額以外は株式譲渡にかかる譲渡収入として取り扱われます。

みなし配当は配当所得ですので、20.315%の税率で源泉徴収がされます。申告を行うときは申告分離課税が適用され、この時は上場株式等の一定の譲渡損との損益通算ができます。

上場株式等の譲渡所得等の金額は、他の所得と区分して申告分離課税が適用されます。そして上場株式等の配当所得と損益通算や3年間の損失繰り越しができます。また、資本の払い戻しの場合は、金融商品取引業者の売委託等が適用要件とはなりません。

ここで合併に際し受け取る資産が合併法人の株式のみということであれば、株主たる個人に譲渡損益は発生しないことになります。