クロスボーダー金融取引における注意点

国外で生じた金融所得について、国内で生じた金融所得と同様に課税されます。

1.租税条約や外国税額控除の適用

日本の居住者が国外で金融所得等の支払いを受ける場合、国外で利子や配当等に源泉税が課される場合があります。租税条約があれば、源泉地国の源泉税率は租税条約上の限度税率まで軽減される場合があります。

源泉地国で利子や配当等に課された所得税については、日本で外国税額控除の適用対象となりますが、租税条約で、相手国に課すことのできる額を超えた外国税は控除の対象外です。

また、海外の不動産や株式に投資した場合、現地国で申告が必要になることもあります。

 

2.国外財産調書制度

日本の居住者で、その年の12月31日に、合計5,000万円を超える国外財産を持つ場合、その国外財産の種類や数量、価額などを記載した「国外財産調書」を、翌年の3月15日までに税務署長に提出しなければなりません。これは確定申告書の提出義務のあるなしにかかわらず提出義務が課されます。

また、確定申告の提出義務がある者がその年の12月31日において、3億円以上の財産、又は1億円以上の国外転出特例対象財産を持っていたとき、財産債務調書の提出も必要になります。

 

3.国外転出時の譲渡所得等の特例

お金持ちが国外脱出をして、相続税などの支払いを免れることを防止するために、国外転出課税が設けられました。概要は以下の通りです。

 

対象者

以下の要件を何れも満たす居住者

(1)  申告対象資産の国外転出時等における評価額の合計額が1億円以上である者

(2)  国外転出の日10年以内に国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年超である者

対象資産

有価証券、匿名組合契約の出資持分、未決済のデリバティブ取引、信用取引、発行日取引

申告及び申告額等

(1)  国外転出年度の確定申告までに納税管理人の届け出を行った場合

 

国外転出時におけるこれら有価証券等の価額に相当する金額または当該未決済デリバティブ取引等の決済にかかる利益の額もしくは損失の額により、譲渡又は決済したものとして所得を計算し、翌年の確定申告期限までに申告

(2)  上記(1)以外の場合

国外転出予定日の3月前の日におけるこれら有価証券等の価額に相当する金額又は当該未決済デリバティブ取引等の決済にかかる利益の額もしくは損失の額により、譲渡又は決済したものとして所得を計算し、国外転出までに申告

帰国による課税の取消

国外転出後5年を経過する日までに帰国をした場合、郊外店出自から引き続き有していた有価証券等又はデリバティブ取引等については、更正の請求により課税の取り消しを受けることができる。

非居住者への有価証券等の移転

贈与、相続又は遺贈により非居住者に有価証券等が移転する場合には、これら贈与、相続、遺贈のときに価額により譲渡又は決済したものとして所得を計算