ストックオプションの行使により取得した株式等の取得価額について

ストックオプションには税制適格と非税制適格の二つがあります。税制適格の条件は次の通りです。

1.ストックオプションにおける税制適格の条件

(a) 行使価格が契約締結時の時価よりも高いこと
(b) 無償発行
(c) 取締役、執行役、使用人である個人に付与されること
(d) 契約で与えられたこと
(e) 行使が付与決議の日2年を経過した日から10年後以内に行うこと
(f) 行使価格は年間1,200万円まで
(g) 譲渡禁止
(h) 新株予約権付与に関する調書の提出

税制適格になるかならないかは、ストックオプションをもらう側にとってみれば非常に大きな違いになります。

2.税制非適格ストックオプション

税制上のメリットのない場合は次の通りになります。
(1) ストックオプションの付与時
原則として課税なし

(2) ストックオプションの権利行使時
(権利行使時の時価-権利行使価額)を給与所得として課税

(3) 行使して取得した株式を譲渡時
(譲渡価額-権利行使時の時価-手数料等)を譲渡所得として課税

税制非適格の場合、ストックオプションを権利行使したときの利益が報酬や給与と同じように考えられ、給与所得として課税されます。さらに、所得税の累進税率が適用されますから、最大45%の所得税と、復興特別所得税(0.315%)と住民税(10%)もかかります。権利行使時に現金がない場合にはその資金も借りるなどして用意しなければなりません。

3.税制適格ストックオプション

税制上のメリットのある場合は次の通りになります。
(1) ストックオプションの付与時
原則として課税なし

(2) ストックオプションの権利行使時
課税なし。これがでかい!

(3) 行使して取得した株式を譲渡時
(譲渡価額-権利行使価額-手数料等)を譲渡所得として課税

行使して取得した株式を譲渡するまで課税が繰り延べられるだけでなく、譲渡所得の税率も所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%となり、給与所得として課税されるよりは有利になります。加えて、株式を譲渡したときに譲渡代金が入ってきますから、納税資金の心配もする必要がありません。