資産管理会社が株式を保有するメリット

上場準備期間に、オーナーが資産管理会社を設立し、一部の自社株を資産管理会社に保有させる資本政策を行っているケースが少なくありません。資産管理会社が上場株式を保有するメリットは具体的に以下のようなことが考えられます。

(1) 受取配当等の益金不算入
法人には、受取配当等の益金不算入の適用があります。保有率に応じて以下のような違いがあります。

(a) 資産管理会社が、上場会社の発行済株式総数の3分の1超の株式を配当基準日以前6か月間引き続き保有していた場合(但し控除負債利子がないとする)→受取配当の全額が益金不算入
(b) 関連法人株式等に該当せず、5%超(3分の1以下)保有していた場合→受取配当等の額の50%超が益金不算入
(c) (b)で、5%以下保有していた場合→受取配当等の額の20%が益金不算入

(2) 所得の分散効果
資産管理会社から親族へ給与を支給することで、所得を分散することができます。

(3) 給与所得控除
給与の支給を受けた個人の所得税の計算において、給与所得控除を受けることができます。

(4) 諸経費の計上
事業関連性があることを前提として、領収書を経費として計上することができます。

(5) 繰越欠損金の繰越控除
資産管理会社に損失が生じた場合、10年間の繰越控除ができます。なお、資本金1億円を超える法人は、繰越控除の控除限度額が以下のように制限されます。

(a) 資本金・出資金額が1億円超 50%
(b) 資本金・出資金額が1億円以下(資本金の額等が5億円以上の法人の完全支配関係がある法人) 50%
(c) 資本金・出資金額が1億円以下((b)以外) 100%

(6) 評価差額に対する評価引き下げ
資産管理会社の株式の相続税評価を純資産価額方式で行う場合に、純資産価額から評価差額に対する法人税等相当額(38%)を控除することができます。但し、この割合は、法人税率の改正で変動することがあるので注意が必要です。将来に株価の上昇が見込める場合は、資産管理会社を持つことで、相続税対策につながります

(7) 類似業種比準方式の適用による評価引き下げ
資産管理会社に株式以外の資産を保有させて、株式保有特定会社に該当しないようにすることで、資産管理会社の株式の評価において、類似業種比準方式を適用して、純資産価額方式よりさらに低い評価額にすることができます。

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