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失敗から学ぶ制度作りをせよ

他人の失敗から学ぼうというとき、最も重要なことは、失敗した当事者がその時何を考え、どんな心理状態だったのか、失敗に直面したとき、どのような行動を取ったのかという情報です。そこには「誰が何でどう失敗をした」というような客観的な情報からは伺うことのできない失敗の真実が隠されています。客観的な立場で書かれた失敗情報は、当事者の生の言葉が盛り込まれていません。確かに失敗の事実が正しく書かれていますが、あまり役に立ちません。

 

まずは当事者が事実を告白してくれることです。組織の失敗を防ぐためには、当事者が真実を語れば、どんどん罪が重くなって、損害賠償額が大きくなるような方法では、真実を語ってくれなくなります。当事者に安心して失敗を語らせる機会を作りましょう。欧米企業には、失敗や不満、疑問などを匿名で集める部署やスタッフを置いている会社があるそうです。

 

住友スリーエムという会社は「失敗を咎めて社員を辞めさせてはならない」という方針を持っており、発想としては、社員の失敗の15%が必ず成功につながると考えています。そして「ポストイット」いわゆる付箋ですが、これはよく貼り付きますが、簡単にはがれてしまうという接着剤の失敗作を捨てずに、利用したことで、大成功につながった例です。失敗をネガティブに捉える企業であれば、世に出なかった製品でしょう。

 

失敗を前向きにとらえる文化を持った会社には底力があります。失敗をどのように取り組めばよいかを組織で何とかしようという会社はどこかで一時的に苦境に立たされることはあっても、必ず復活する力を持つことができます。

 

別の会社では、会長が、従業員の間の不満や問題の吸収役を務め、最後には自分が責任を取ると決意し、取り組んでいるところもあるとか。困ったときに、誰かに相談しに行ければそれほど心強いことはありません。会社の中の風通しがよくなって、今は社員が安心して働ける環境になっています。同業他社が業績不振にあえいでいても、その会社は従業員を解雇せずにこの状況を絶えて、次の世代に備えているようです。

 

従業員に失敗から学ぼうといったところで、組織の失敗は防げません。失敗は隠したいですし、責任を取りたくはありません。失敗はカッコ悪くて恥ずかしい。しかし組織が先にその失敗の受け皿を用意して、失敗から学ぼうという文化を築けば、大きな失敗を防ぐことができ、前向きな創造力が生まれるというものです。

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