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損失予想を社内用バランスシートに乗せ、損失カバーに備えよ

さて、安全対策のために巨額の資金が必要であってそれを調達するのは容易ではありませんが、失敗を未然に防ぐ対策に資金を投じることが経済的に合う仕組みを作る必要があります。そこで必要なことは、企業の業績を示すバランスシートに、潜在的失敗といった負債を計上する方法があります。

失敗が発生したときにどれだけ損害を受けるかということを予測して、その金額、いわゆる失敗のコストに失敗の確率をかけて、それを含み損として示す方法です。場合によっては引当金処理で良いのかもしれません。これは税務上は認められませんから、会計上、社内管理会計用としておきましょう。

このような失敗の評価を明らかにすれば、企業が健全かどうかはすぐにわかります。これは失敗に無関心な企業にとってはありがたくない制度ですが、潜在的な失敗が目に見えるようになることで、失敗対策が重要だという意識が芽生えることでしょう。仮に、5億円の失敗リスクをかかえていたところ、失敗対策を講じた結果、2億円で済んだ、となれば、失敗対策を行った立派な企業だという評価が高まるでしょう。

もちろん失敗の発生確率は計算が難しいと思いますから、どのような基準で算出すべきかは議論が必要です。ちなみに保険の計算は失敗の評価を導入しているわけですから、何らかのヒントはありそうです。

ちなみに自動車事故の確率は、2000年から2011年までの件数が約70万件であり、負傷者数が90万人、そして死者が4,612人(うち、65歳以上が49%)となっており、1日に13人死亡している計算となっています。日本の免許保持者数は約8千万人ですから、ドライバー115名に1人が年間1回事故を起こし、1.7万人に1人が年間に1回死亡事故を起こしていることになります。この中には酔っ払い運転の被害者(全体の7%)、トラック事故の被害者、無謀運転の被害者等、あらゆる交通事故が含まれています。そのため、酔っ払い運転も、無謀運転もしない一般の方が100%悪くて相手を死亡された件数は相当少ないことになります。仮にそのような死亡事故が全体の10分の1と仮定すれば、年間に死亡事故を起こす可能性は、ドライバー17万人に1人となります。金色の優良ドライバー(中にはペーパーもいる)が死亡事故を起こす確率はもっと減るでしょう。100万人に1人くらいかもしれません。事故の中には防ぎようもない事故もあります。こちらが横断歩道に突っ立っていても、そこに突っ込んでくる車があるくらいですから。しかし偶発的な接触事故は避けられないとしても、よほど無謀な運転をしない限りは死亡事故を起こす可能性はかなり低いということになります。こういう事実を伝えず、ただ不安をあおっている保険会社は問題です。しかし、自分たちの儲けとは関係のない確率の計算には、保険の計算の仕方は有用と思われます。実際に計算するときは、保険会社よりも統計学の専門家に尋ねた方がよさそうですね。

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